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クラス ×イト
第12章 ラんマん 【市原 茜】
 私たちがアタフタとしてると――


 ――カチャ!


 ドアの鍵が開く音。そして――

「茜――いるなら、出てこいよな」

 そう言いながら、タッくんは部屋の中に入って来ちゃったんだ。


「あはは……ごめんね。今、ちょっと手が放せないって、いうか?」

 そう言いながらベッドの上の私は――当然、裸のままなの。

 それを見たタッくんは、顔色を変えてる。ううっ、ヤバいよー。

「お前……なに、してんの?」

「えーっと、オナニー……かな?」

 そんな苦しい言い訳をしながら、私はチラリと部屋の隅を見たの。そしたらさぁ――

 そこには毛布を頭から被って、ガタガタと震えてる護が……。いくらなんでも、タイミングが悪いよぉ。裕樹の時みたく、ベランダに出す余裕もなかったし……。

 そんな私の態度が、ますます怪しかったみたい。タッくんは無言で、部屋の中を見回そうとしてるの。ああっ、そっち見ないで!

「あ、あのさぁ……今日は友達の部屋で、サークルの打ち上げって……タッくん、そう言ってたよね?」

「ああ……それ嘘だし」

 ええっ、なにそれ! とか、考えてるヒマもなくって……。

「――!?」

 ついにタッくんが、思いっきり不自然な毛布の『お化け』に気がついちゃったんだ。

「オイ! 面、出せよ」

 タッくんはドスの利いた声で、護の前に立ってる。

 ああん……私、どうしたらいいの?

 そしたら――突然。ガバッと勢いよく起き上がった護は――


「お、お邪魔しましたっ!」


 そう言って、服とかの荷物を手にすると――

 パンツ一枚の姿のまま、一気に部屋の外まで駆け出して行っちゃったの。

 呆気にとられて私を見てる、タッくん。

「あははは……」

 こんな場合は、とりあえず笑っとくしかない――よね?
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