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クラス ×イト
第12章 ラんマん 【市原 茜】
 とにかく、その後のタッくんの怒りは、嵐みたいだったの……。


「ざけんなっ! このクソ女がっ!」

「だから、ごめんねって……。そんなに、怒らないでよぉ」

「うるせえなっ! 謝って済むと思ってんじゃねーよっ!」

 あんまりにも滅茶苦茶に言うもんだから、私もつい余計なことを口にしちゃったんだ。

「でも、タッくんだって……私、知ってるんだよ」

「は? なんのことだよ」

「この部屋に、女の人連れて来てるでしょ? 私、部屋の前まで来て、何度も引き返したことあるんだから……」

 その些細な反撃が、いけなかったみたい。火に油を注ぐ、ってそんな感じになって……。

「俺の部屋で何しようが、俺の勝手だっ!」


 ――ガツンッ!



「……」

 結局、部屋を追い出された私は、夜道を一人でトボトボと歩いてる。流石に、ちょっとヘコむよね……。それにしても、さ――。


「あはは……なにも、殴らなくたって……いいのに……ね」


 ズキッと痛むこめかみを手で擦りながら、私は何気に色んなことを考えてみたんだ。

 タッくんとは、もう無理。確かに私だって悪かったけど、さ……。

 裕樹にしても、護にしても……エッチなことから始めちゃうから、やっぱそれってダメなのかなぁ?


「うーん……なんだか、難しいなぁ」


 私にしては珍しく、少し頭を悩ませちゃったんだ。
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