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クラス ×イト
第12章 ラんマん 【市原 茜】
その次の日の、教室でのことなんだけど。ちょっとこれは、私的に話しておきたいんだよね。
「……」
昼休みに自分の席で、ちょっとボーっとしてた私。
そしたら、いつの間にか側に立っていたのは――赤緒礼華。
あれ? 礼華の方から私の処に来るなんてあまりないから、少し意外に思ってたんだけど……。そしたら、さ――
スッと伸びた礼華の手が、私の髪を優しく掻き分けて――
「茜――この傷、どうしたの?」
私のこめかみのアザを見て、そう訊いてくれたんだ。
「あは……髪に隠れて、目立たないかな? って思ってたのに……。流石、礼華は鋭いねー」
そんな風に笑ってごまかそうとするけど、礼華は真剣な顔をしてた。
「誰に?」
「大丈夫だよ。また私が、ドジっちゃっただけだから……」
そんな私の顔を、礼華はじっと見てた。それから――
「そう……だけど、どうにもならない時は、言いなさい」
「うん……礼華、ありがとう」
礼華については、皆が色んなことを言うの。その中には、あまり良くないイメージもあってさぁ。私自身、ちょっと近寄りがたいって思っちゃうことも、確かにあるんだけどね。
礼華はいつだって、同じではないから……。
だけど、ホントは優しい子なんだ。そしてたぶんね、それは礼華が沢山の経験をしてるからだと、私はそう感じてるの。
きっと、それは私なんかと比べ物にならないくらいに……。
「……」
昼休みに自分の席で、ちょっとボーっとしてた私。
そしたら、いつの間にか側に立っていたのは――赤緒礼華。
あれ? 礼華の方から私の処に来るなんてあまりないから、少し意外に思ってたんだけど……。そしたら、さ――
スッと伸びた礼華の手が、私の髪を優しく掻き分けて――
「茜――この傷、どうしたの?」
私のこめかみのアザを見て、そう訊いてくれたんだ。
「あは……髪に隠れて、目立たないかな? って思ってたのに……。流石、礼華は鋭いねー」
そんな風に笑ってごまかそうとするけど、礼華は真剣な顔をしてた。
「誰に?」
「大丈夫だよ。また私が、ドジっちゃっただけだから……」
そんな私の顔を、礼華はじっと見てた。それから――
「そう……だけど、どうにもならない時は、言いなさい」
「うん……礼華、ありがとう」
礼華については、皆が色んなことを言うの。その中には、あまり良くないイメージもあってさぁ。私自身、ちょっと近寄りがたいって思っちゃうことも、確かにあるんだけどね。
礼華はいつだって、同じではないから……。
だけど、ホントは優しい子なんだ。そしてたぶんね、それは礼華が沢山の経験をしてるからだと、私はそう感じてるの。
きっと、それは私なんかと比べ物にならないくらいに……。