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クラス ×イト
第12章 ラんマん 【市原 茜】
 やっと私の言葉を理解して、乾くんは少しアタフタとしてる。

「あのさ……どうして、急に……その……僕のこと、なんか……?」

 やや俯いたその顔を、グッと下から覗き込むようにして、私はこう訊くの。

「急だと――ダメかなぁ?」

「い、いや……そうじゃ、なくって……だけど……」

「じゃあ……私と仲良くしても……いい?」

「な、仲良くって……友達として、なんだよね?」

 そう言って乾くんは、私につぶらな瞳を向けた。

 それにドキッとした私は、つい悪い癖が出ちゃう――。

「私、乾くんに、きゅん――てしてるんだよ。だから、この気持ちは――さぁ」

 私はそう言いながら、彼の膝の上の手にそっと自分の手を重ねてる。そうして手の甲を撫ぜるようにして、それから指を絡めた。

「――!」

 乾くんはハッとして私を見ながら、既に赤くしてる顔に汗を滲ませる。

 その顔をじいっと見据えて、私も昂った想いのまま、こう言ってたんだ。


「友達だと――足りないかもしれない、ね」


 そしたらさ――

 ガタッと椅子を鳴らして、乾くんは立ち上がってたの……。
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