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クラス ×イト
第12章 ラんマん 【市原 茜】
 教室の前で、私は佳奈とバッタリと顔を合わせていた。

「あ、茜……? アンタ、なに泣いんの?」

 佳奈は私を見ると、ギョッとしたように言う。

「あはは……自分でも……わかんないよぉ」

「ああ、もう――とにかく、ホラ。コレで、涙を拭きなよ」

 佳奈はそう言って、私にハンカチを差し出す。

 それを見たら、堪らなくなってて――


「佳奈ぁ……」


「ちょ、ちょっと!」


 私は思わず、佳奈に抱きついていた。

「一体――なにが、あったわけ?」

「色々だよぉ……佳奈にも、なんか……ごめんね」

「は? 意味わかんないし」

「アハ、そうだよね。ホント……意味わかんないの。だから……もう、ちょっと……こうしてても……いい?」

「わかったから、早く泣き止みなよ。それにしてもさ……茜でも、泣くことあるんだね」

 佳奈はそう言って、私の髪を優しく撫でてくれて――。


 うわああああん――!


 私は佳奈に抱きつきながら、思いっきり泣いちゃったんだ。
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