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クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】
それは、ある日の放課後の教室で――。
「少し様子を見て来るよ。まだ時間がかかるようなら、先に帰ろう」
「うん。そうだね」
僕と英太くんは、職員室に呼ばれていた要二くんのことを待っていた。だけど、要二くんはなかなか戻らなかったから、英太くんは様子を窺う為に職員室へ。
誰もいない教室で、僕は一人きり。床の上に腰を下ろし、窓側の壁に背を凭れていた。
要二くん、何かあったのかな……。僕がふと、そんなことを考えていた時――。
ガラッ、と教室の扉が開くと、誰かが入って来たのが見えた。
「――!」
それが英太くんじゃないと知った僕は、咄嗟に身を屈めてしまう。それが、そもそもの原因。僕がこんな性格じゃなかったら、気軽に姿を表せていたのだろう。
だけど僕は何かを恐れるように、机の死角に身を隠してしまった。
だから彼ら――赤緒礼華と瀬山宗助は、教室には自分たち二人しかいないものだと錯覚してしまう。
本来なら、決して他人には聞かれたくない話。
気を許していた二人が交わした会話は、そんな内容のものだった。
「少し様子を見て来るよ。まだ時間がかかるようなら、先に帰ろう」
「うん。そうだね」
僕と英太くんは、職員室に呼ばれていた要二くんのことを待っていた。だけど、要二くんはなかなか戻らなかったから、英太くんは様子を窺う為に職員室へ。
誰もいない教室で、僕は一人きり。床の上に腰を下ろし、窓側の壁に背を凭れていた。
要二くん、何かあったのかな……。僕がふと、そんなことを考えていた時――。
ガラッ、と教室の扉が開くと、誰かが入って来たのが見えた。
「――!」
それが英太くんじゃないと知った僕は、咄嗟に身を屈めてしまう。それが、そもそもの原因。僕がこんな性格じゃなかったら、気軽に姿を表せていたのだろう。
だけど僕は何かを恐れるように、机の死角に身を隠してしまった。
だから彼ら――赤緒礼華と瀬山宗助は、教室には自分たち二人しかいないものだと錯覚してしまう。
本来なら、決して他人には聞かれたくない話。
気を許していた二人が交わした会話は、そんな内容のものだった。