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クラス ×イト
第3章 あこガれ 【山村佳奈】
だけど、礼華は――
「アイツらって――誰?」
「え? あのオタクっぽい連中……今、見てたよね」
「別に、見てないけど」
と、そんな風に言ってる。
私の勘違いだった? 違う。確かに、気にしてたはず。
そう思っていると、今度は――
「ん?」
「……!」
その三人の中の――喜嶋三生が、礼華の方を見ていて。私と目が合うと、焦って視線を逸らしたみたいだった。
その態度を見て、私は冗談ぽく礼華に言う。
「もしかしてさ。アイツ――礼華にコクッて来たとか?」
「は?」
「アハ、そんなわけないよね。だとしたら、マジありえないし。身の程知らずなのも、そこまでいくとウケるけどさ」
この時、私は少し調子に乗ってしまったんだろう。
「佳奈――」
「なに?」
「さっきから、なに言ってるの?」
礼華はそんな私を、冷ややかに見つめていた。その顔に気づいて、私の身体から血の気が引く。
「あ……ゴメンね」
「……」
「気を悪くしないで。ちょっと、ふざけただけなの」
「佳奈――」
「な……なに?」
「少し、黙っててくれない」
「あ、そ……そうだよね」
このクラスでは――私にとって、赤緒礼華だけが、唯一で絶対的な存在だった。
「アイツらって――誰?」
「え? あのオタクっぽい連中……今、見てたよね」
「別に、見てないけど」
と、そんな風に言ってる。
私の勘違いだった? 違う。確かに、気にしてたはず。
そう思っていると、今度は――
「ん?」
「……!」
その三人の中の――喜嶋三生が、礼華の方を見ていて。私と目が合うと、焦って視線を逸らしたみたいだった。
その態度を見て、私は冗談ぽく礼華に言う。
「もしかしてさ。アイツ――礼華にコクッて来たとか?」
「は?」
「アハ、そんなわけないよね。だとしたら、マジありえないし。身の程知らずなのも、そこまでいくとウケるけどさ」
この時、私は少し調子に乗ってしまったんだろう。
「佳奈――」
「なに?」
「さっきから、なに言ってるの?」
礼華はそんな私を、冷ややかに見つめていた。その顔に気づいて、私の身体から血の気が引く。
「あ……ゴメンね」
「……」
「気を悪くしないで。ちょっと、ふざけただけなの」
「佳奈――」
「な……なに?」
「少し、黙っててくれない」
「あ、そ……そうだよね」
このクラスでは――私にとって、赤緒礼華だけが、唯一で絶対的な存在だった。