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クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】
赤緒さんを追い始めてから、もう一カ月余り。僕がその現場を確認したのは、その日で三回目だった。
赤緒さんはいつも泊まっている駅前の部屋で服を着替えて出てくると、待ち合わせ場所に用いている駅裏の喫茶店へと向かう。大型チェーンのカフェと違って、地味で目立たない小さなお店だ。
少し待ってそこに現れたのは、スーツ姿の男性で年齢は三十前後くらいだろう。それまでの二回と同様のその男性こそ、彼女の援交の相手――のようだった。
そうして待ち合わせた二人は、そのままホテルへと向かうことになる。
喫茶店を出ると、赤緒さんの肩に手を回して歩いてゆく男。その二人の姿を見て、僕の中に湧き上がる感情は只ならぬものだった。
できれば、そんなことさせたくない。してほしくない。だけど――
「くっ……!」
僕は痛いくらいに両拳を握りしめ、何とか飛び出したい気持ちを我慢する。
何故、彼女がそんなことをするのか。僕にはその理由がわかっていない。そんな僕が出しゃばっても、それでは彼女を助けることには、きっとならない……。
「……」
僕はそう思って、ホテルに姿を消す二人を、静かにじっと眺めていた。
赤緒さんはいつも泊まっている駅前の部屋で服を着替えて出てくると、待ち合わせ場所に用いている駅裏の喫茶店へと向かう。大型チェーンのカフェと違って、地味で目立たない小さなお店だ。
少し待ってそこに現れたのは、スーツ姿の男性で年齢は三十前後くらいだろう。それまでの二回と同様のその男性こそ、彼女の援交の相手――のようだった。
そうして待ち合わせた二人は、そのままホテルへと向かうことになる。
喫茶店を出ると、赤緒さんの肩に手を回して歩いてゆく男。その二人の姿を見て、僕の中に湧き上がる感情は只ならぬものだった。
できれば、そんなことさせたくない。してほしくない。だけど――
「くっ……!」
僕は痛いくらいに両拳を握りしめ、何とか飛び出したい気持ちを我慢する。
何故、彼女がそんなことをするのか。僕にはその理由がわかっていない。そんな僕が出しゃばっても、それでは彼女を助けることには、きっとならない……。
「……」
僕はそう思って、ホテルに姿を消す二人を、静かにじっと眺めていた。