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クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】
僕はとても焦っていた。赤緒さんが自ら望んで援交をしてるなんて、そんなことがある筈がない。恐らく何らかのやむを得ない事情があり、無理をしているに違いないんだ。
僕は彼女のとても純粋な部分を知っているから、そう考えることに疑いの余地はなかった。
その理由が、お金の為である可能性は高いのだろう。もしそうであるなら、高校生の僕がどうにかすることは難しいのかもしれない。赤緒さんの家の家計がどんな状態なのか、僕にはそれをも把握するべきだと感じ始めていた。
だけど、媛交でお金を得ていることは確かとはいえ、必ずしもお金が目的であると決めつけるのは危険のように思う。もしかしたら、満たされぬ想いにより抱え込んだ、ストレスのようなものが根幹にあるのかも――否、それは多少に関わらず必ずある筈だ。
何らかのストレスを発散する為に、自分の自由にできる金銭を欲する。そう考える方が、寧ろ自然……。
その仮定が正しいのなら――彼女の満たされぬ想いの一部には、心当たりがあった。
ほんの少しでも、助けになれば……。
最初は、ちょっとした思いつきだった。手段として、決して効果的ではなかったのかもしれない。でも例え無駄であっても、僕は何かをせずにはいられなかった。
「……」
その時、媛交の現場であるホテルを見上げながら、僕はあの『短い手紙』を書くことを密かに決意していた。
僕は彼女のとても純粋な部分を知っているから、そう考えることに疑いの余地はなかった。
その理由が、お金の為である可能性は高いのだろう。もしそうであるなら、高校生の僕がどうにかすることは難しいのかもしれない。赤緒さんの家の家計がどんな状態なのか、僕にはそれをも把握するべきだと感じ始めていた。
だけど、媛交でお金を得ていることは確かとはいえ、必ずしもお金が目的であると決めつけるのは危険のように思う。もしかしたら、満たされぬ想いにより抱え込んだ、ストレスのようなものが根幹にあるのかも――否、それは多少に関わらず必ずある筈だ。
何らかのストレスを発散する為に、自分の自由にできる金銭を欲する。そう考える方が、寧ろ自然……。
その仮定が正しいのなら――彼女の満たされぬ想いの一部には、心当たりがあった。
ほんの少しでも、助けになれば……。
最初は、ちょっとした思いつきだった。手段として、決して効果的ではなかったのかもしれない。でも例え無駄であっても、僕は何かをせずにはいられなかった。
「……」
その時、媛交の現場であるホテルを見上げながら、僕はあの『短い手紙』を書くことを密かに決意していた。