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クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】
それは、週が明けた月曜日の朝――。
何時もより二十分以上早く学校に到着した僕は、昇降口の下駄箱にその手紙を差し入れた。
それには差し出し人である僕の名も記していないし、中身も短い一文のみ。それで何かが伝わるようなものではなかったけど、それでも僕はそれが何かのきっかけになるような気がしていた。
もちろん全ては赤緒さんの為にと、そう願って……。
しかし結果的に僕のその行為は、彼女の意に反してしまった、ようだった。
その日の昼休みのこと――。
「コレ、書いたの。貴方なんでしょ?」
僕を呼び止めて、赤緒さんが突き出すように見せたのは、僕が書いた手紙――。
彼女の隣りには、クラス委員の西慶介もいて――そこに漂い始めた緊張感を察して、クラスの皆も僕たちに注目し始めている。
僕を見据える赤緒さんの視線は、実に険しいものだった。
「……」
冷静になって考えれば、確かに差し出がましい真似だったのかもしれない。それでも、僕としては……。
「どうなの?」
更に問い詰めるような執拗な言葉に、やりきれない想いで俯いていた僕の、その肩がビクッと震えていた。
すると――
「三生……なにか、あったの……?」
只ならぬ様子を察して、そう声をかけていたのは、英太くん。
その心配そうな顔を見て、僕の胸裏に去来していたもの。ホッとしたような、それでいてバツが悪いような複雑な気分だった。
「別に……何でもないんだ」
僕はそう答えると、逃げるようにしてその場から駆け出して行く――。
何時もより二十分以上早く学校に到着した僕は、昇降口の下駄箱にその手紙を差し入れた。
それには差し出し人である僕の名も記していないし、中身も短い一文のみ。それで何かが伝わるようなものではなかったけど、それでも僕はそれが何かのきっかけになるような気がしていた。
もちろん全ては赤緒さんの為にと、そう願って……。
しかし結果的に僕のその行為は、彼女の意に反してしまった、ようだった。
その日の昼休みのこと――。
「コレ、書いたの。貴方なんでしょ?」
僕を呼び止めて、赤緒さんが突き出すように見せたのは、僕が書いた手紙――。
彼女の隣りには、クラス委員の西慶介もいて――そこに漂い始めた緊張感を察して、クラスの皆も僕たちに注目し始めている。
僕を見据える赤緒さんの視線は、実に険しいものだった。
「……」
冷静になって考えれば、確かに差し出がましい真似だったのかもしれない。それでも、僕としては……。
「どうなの?」
更に問い詰めるような執拗な言葉に、やりきれない想いで俯いていた僕の、その肩がビクッと震えていた。
すると――
「三生……なにか、あったの……?」
只ならぬ様子を察して、そう声をかけていたのは、英太くん。
その心配そうな顔を見て、僕の胸裏に去来していたもの。ホッとしたような、それでいてバツが悪いような複雑な気分だった。
「別に……何でもないんだ」
僕はそう答えると、逃げるようにしてその場から駆け出して行く――。