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クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】
店前の歩道の脇に立ち止まると、三人は言葉を交わし始めていた。
「人を連れて来るなんて、私――聞いてないから」
赤緒さんは男たちの手を振りほどき、そう言う。
すると、何時もの媛交の相手である、短髪の男がそれに応じる。
「だから、それはすまないって……。コイツ、東京にいた頃に俺が可愛がってた部下でさ。久々の出張で、羽を伸ばしたいんだと。だけど、この辺って遊ぶような場所がないだろ。だから、頼むよ。今夜だけ。もちろん、謝礼の方も二人分――否、三倍払ってもいいんだぞ」
そして紹介を受けた(?)、茶髪の男もそれに続く。その外見も口調も、かなりチャラい。
「あ、どうも。部下っす。キミさ、先輩の話通りにマジ綺麗じゃん。都会でも、なかなかお目にかかれないレベル。ね、俺からもお願い。今夜は、楽しい夜にしようよー」
それを聞いて、赤緒さんは――
「そっちの事情を、押しつけないで。私、帰るから」
そう言って、二人に背を向けた。その様子を見て、男たちはしかめた顔を見合わせる。
それを様子を側で見守っていた僕は、ホッと胸を撫で下ろした。
しかし――
「礼華、いいのか? お前、金が必要なんだろ」
「――!」
再び赤緒さんの足が止まる。すると、短髪の男はニヤッと笑い、更にこんな風に言う。
「ここで帰ったら、それっきりだからな。自分で言うのもなんだが、俺みたいに羽振りのいい男――こんな田舎街じゃ、なかなかいないと思うが。その辺をもう一度、よーく考えてみるんだな」
「……」
その時、赤緒さんの表情には、激しい葛藤が見て取れた。
「人を連れて来るなんて、私――聞いてないから」
赤緒さんは男たちの手を振りほどき、そう言う。
すると、何時もの媛交の相手である、短髪の男がそれに応じる。
「だから、それはすまないって……。コイツ、東京にいた頃に俺が可愛がってた部下でさ。久々の出張で、羽を伸ばしたいんだと。だけど、この辺って遊ぶような場所がないだろ。だから、頼むよ。今夜だけ。もちろん、謝礼の方も二人分――否、三倍払ってもいいんだぞ」
そして紹介を受けた(?)、茶髪の男もそれに続く。その外見も口調も、かなりチャラい。
「あ、どうも。部下っす。キミさ、先輩の話通りにマジ綺麗じゃん。都会でも、なかなかお目にかかれないレベル。ね、俺からもお願い。今夜は、楽しい夜にしようよー」
それを聞いて、赤緒さんは――
「そっちの事情を、押しつけないで。私、帰るから」
そう言って、二人に背を向けた。その様子を見て、男たちはしかめた顔を見合わせる。
それを様子を側で見守っていた僕は、ホッと胸を撫で下ろした。
しかし――
「礼華、いいのか? お前、金が必要なんだろ」
「――!」
再び赤緒さんの足が止まる。すると、短髪の男はニヤッと笑い、更にこんな風に言う。
「ここで帰ったら、それっきりだからな。自分で言うのもなんだが、俺みたいに羽振りのいい男――こんな田舎街じゃ、なかなかいないと思うが。その辺をもう一度、よーく考えてみるんだな」
「……」
その時、赤緒さんの表情には、激しい葛藤が見て取れた。