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クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】

「さあ、早く行こうぜ。何せ今夜は、奮発してスイート押さえてあるからな」

「うわっ、マジすか先輩。カッコいい! でもまあ――どうせ、会社の経費なんでしょ」

「うるせえよ」

 すっかり調子に乗った男たちは軽口を叩きながら、立ち尽くす赤緒さんをそのまま連れて行こうとしている。


「くっそぉ……」

 それを見ていた僕は、とっくに我慢の限界を通り越してしまっている。だから――


「待て!」


 僕は三人の前に立ちはだかると、大きく両手を広げた。

「――!?」

 俄かに顔色を変えた赤緒さんを初めとして――暫くの間、三人とも唖然として僕に視線を送っている。

 勢いよく飛び出したものの、僕の全身はカタカタと震え出していた。

「なんすかね、このヒョロいの」

「礼華――まさか、お前のお友達か?」

 そんな男たちの言葉を無視して、赤緒さんは僕のすぐ前まで近づく。

「貴方――もしかして、私のこと見張って?」

「あ……い、いや、それは……ぼ、僕は……」

 赤緒さんを助けたい、とその一心だった僕は、予期せぬ問いを受けると大いに焦ってしまった。明らかに挙動不審な振る舞いになると、誤魔化すこともできずに彼女を尾けていたことを暗に認めた形に――。

「何故――そんなこと、するの?」

「だ、だって僕は……君のことが…………好き、だから」


 追い詰められた挙句に、僕は彼女に二度目の告白を果たすことに……なった。
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