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クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】

 僕はギュッと目を瞑った。たぶん、赤緒さんは怒るだろう。その後に浴びせられるであろう冷ややかな言葉の数々を、僕は自然と覚悟していたんだ。

 だけど、その後の赤緒さんの対応は、思いもよらないものとなる。

 続く沈黙を不思議に感じて、僕は赤緒さんの顔をそっと窺う。すると彼女は、艶やかな紅い唇に指を触れると、何やらじっと思慮してる様子。

 そして、暫くすると――二人の男を振り返り、言った。


「彼も一緒でいいのなら、相手をしてあげてもいいわ」


「は?」

 思わず声を漏らした男たちも僕も、彼女が何を言い出したのか、その意味をすぐに理解することはできなかった。

 暫くポカンとした後、短髪の男がやや顔を引きつらせながら訊ねる。

「つまり……その『お友達』も含めて、三人の相手をすると?」

 赤緒さんは、コクリと頷く。すると、もう一人の男が――

「いやあ、それは流石にマズイんじゃないの?」

 長い茶髪の頭を掻きながら、そう言った。

「私なら、平気。それに彼の口の堅さは、信頼してるの。もし、それが嫌だと言うのなら、私こそ――これっきりにしてもらうから」

 そう言われた短髪の男は――

「ハッハッハ――!」

 大口を開けて高笑いをする。

「わかったよ。こっちはそれでも、別に構わないぞ」
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