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クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】
その後、どのくらいの時間だったろう――。
「……」
部屋の片隅に体育座りをした僕は――――空っぽになっていた。
もう何も考えることも望むこともなく、去ることできずにそこに佇む。その耳に届いていたのは、淫らな声――只、それだけ。
やがて、その声も止むと――僕は男たちが欲望を果たし終えたことを、何気に理解した。そして、その全てを受け止めたのが、赤緒さんであることも……。
「……」
静かになってから暫くして、ようやく僕は彼女を見た。
シャワーを浴びた後らしい彼女。バスタオルで身体を拭くと、ベッド付近に脱ぎ散らかされた服を集め、それを身に着け始めた。
その動作は、終始淡々としている。
そして――
「俺たちラウンジに行くから、お前たちは適当に帰れよ。じゃあ――約束通り、ほら」
パサッ、とベッドの上に置かれたのは札束。それが今夜の行為により、赤緒さんが受け取った報酬だ。
「じゃあ、また連絡するよ」
男たちは、そう言い残し部屋を後に――。
「……」
赤緒さんは無言で、ベッドの上の紙幣をその手に取った。
そうしてから――
「……!」
ゆっくりと、彼女が僕に歩み寄る。
「これで、わかったでしょ?」
「……?」
彼女は寂しげに僕を見つめ、それから言った。
「これが、私の姿……私は『商品』として、存在してる」
「……」
部屋の片隅に体育座りをした僕は――――空っぽになっていた。
もう何も考えることも望むこともなく、去ることできずにそこに佇む。その耳に届いていたのは、淫らな声――只、それだけ。
やがて、その声も止むと――僕は男たちが欲望を果たし終えたことを、何気に理解した。そして、その全てを受け止めたのが、赤緒さんであることも……。
「……」
静かになってから暫くして、ようやく僕は彼女を見た。
シャワーを浴びた後らしい彼女。バスタオルで身体を拭くと、ベッド付近に脱ぎ散らかされた服を集め、それを身に着け始めた。
その動作は、終始淡々としている。
そして――
「俺たちラウンジに行くから、お前たちは適当に帰れよ。じゃあ――約束通り、ほら」
パサッ、とベッドの上に置かれたのは札束。それが今夜の行為により、赤緒さんが受け取った報酬だ。
「じゃあ、また連絡するよ」
男たちは、そう言い残し部屋を後に――。
「……」
赤緒さんは無言で、ベッドの上の紙幣をその手に取った。
そうしてから――
「……!」
ゆっくりと、彼女が僕に歩み寄る。
「これで、わかったでしょ?」
「……?」
彼女は寂しげに僕を見つめ、それから言った。
「これが、私の姿……私は『商品』として、存在してる」