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クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】
「……」

「……」

 ホテルを後にして、僕たちは夜の街を無言で進む。

 そうして暫く歩いた後、彼女は立ち止まると、僕に告げた。

「もう、私に付き纏わないで」

「……」

 僕に返せる言葉はなかった。

 しかし、彼女は言葉を続ける。

「貴方のために言ってるのよ。そんなこと、無駄だから……」

「僕の……ため?」

 僕はその真意が気にかかり、久しぶりに言葉を発した。

「言ったでしょ、私は商品。結局は、この身を使って生きてゆくことから、逃れられずにいるわ。だから、貴方に対しても……あんなやり方をしてしまった」

「……」

 あんなやり方――それは、僕に強いた『口止め』の手段のことだろう。

「流石に、もうわかったでしょう。私には貴方が好きになるような、価値などないって。今日、それを……思い知ったはず」

 繁華街の裏の静かな通りに、彼女の声だけが静かに響いた。


「話は、それだけ――さようなら」


 そう言って、背を向けた彼女に――

「あ……!」

 伸ばしかけた手と、言いかけた言葉は――虚しく行き場を失い、僕の中で潰えていた。

 そのまま佇み、することもなく見上げた夜空は今の僕にとって無意味な――満天の星空。
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