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クラス ×イト
第14章 カイごう 【乾英太4】
 そう話す北村先生の意図に、三生の件が関係してるのは間違いなさそうだ。

 だけど僕は、それだけじゃなのでは、とそう思っている。


「突然、何だと思うだろうが。まあ、これも何時もの気まぐれだと、そう思ってくれていい」

 先生がそう付け加えていたのは、三生に対する配慮のように思う。まだ事情を知らない生徒たちに、妙な先入観を与えない為。先生自身まだ詳しい事情がわからずに、三生ことを心に留めている感じだった。

 それでも北村先生は、何も反応せずにはいられずに、皆に話をしている。その理由を考えた時に……。


「俺からは以上だ。西――後は頼む。残りの時間は、自習にしてくれていい」

「わかりました」

 先生は西くんに指示を残し、教室を出て行こうとしている。

 その時、僕が見ていたのは先生ではなく――藍山さんだった。

「……」

 彼女は何時もと変わらずに――窓際の席で、静かに佇んでいるけど……。その視線はじいっと、教室を後にする北村先生の背中に注がれていた。

 藍山さんのお姉さんは、自殺している。そしてその原因には、北村先生が関わっているのではないのか……と。

 僕と藍山さんは、お姉さんの二冊による――メッセージを読み解いていた。

 三生と、藍山さんのお姉さん。二人を繋ぐキーワードは――『自殺』。
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