この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第14章 カイごう 【乾英太4】
そう話す北村先生の意図に、三生の件が関係してるのは間違いなさそうだ。
だけど僕は、それだけじゃなのでは、とそう思っている。
「突然、何だと思うだろうが。まあ、これも何時もの気まぐれだと、そう思ってくれていい」
先生がそう付け加えていたのは、三生に対する配慮のように思う。まだ事情を知らない生徒たちに、妙な先入観を与えない為。先生自身まだ詳しい事情がわからずに、三生ことを心に留めている感じだった。
それでも北村先生は、何も反応せずにはいられずに、皆に話をしている。その理由を考えた時に……。
「俺からは以上だ。西――後は頼む。残りの時間は、自習にしてくれていい」
「わかりました」
先生は西くんに指示を残し、教室を出て行こうとしている。
その時、僕が見ていたのは先生ではなく――藍山さんだった。
「……」
彼女は何時もと変わらずに――窓際の席で、静かに佇んでいるけど……。その視線はじいっと、教室を後にする北村先生の背中に注がれていた。
藍山さんのお姉さんは、自殺している。そしてその原因には、北村先生が関わっているのではないのか……と。
僕と藍山さんは、お姉さんの二冊による――メッセージを読み解いていた。
三生と、藍山さんのお姉さん。二人を繋ぐキーワードは――『自殺』。
だけど僕は、それだけじゃなのでは、とそう思っている。
「突然、何だと思うだろうが。まあ、これも何時もの気まぐれだと、そう思ってくれていい」
先生がそう付け加えていたのは、三生に対する配慮のように思う。まだ事情を知らない生徒たちに、妙な先入観を与えない為。先生自身まだ詳しい事情がわからずに、三生ことを心に留めている感じだった。
それでも北村先生は、何も反応せずにはいられずに、皆に話をしている。その理由を考えた時に……。
「俺からは以上だ。西――後は頼む。残りの時間は、自習にしてくれていい」
「わかりました」
先生は西くんに指示を残し、教室を出て行こうとしている。
その時、僕が見ていたのは先生ではなく――藍山さんだった。
「……」
彼女は何時もと変わらずに――窓際の席で、静かに佇んでいるけど……。その視線はじいっと、教室を後にする北村先生の背中に注がれていた。
藍山さんのお姉さんは、自殺している。そしてその原因には、北村先生が関わっているのではないのか……と。
僕と藍山さんは、お姉さんの二冊による――メッセージを読み解いていた。
三生と、藍山さんのお姉さん。二人を繋ぐキーワードは――『自殺』。