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クラス ×イト
第14章 カイごう 【乾英太4】
三生が本当に自殺しようと想い悩んだのか……。僕はまだ、そう決めつけることはしたくなかった。
だけどもし、北村先生が藍山さんのお姉さんのことで、気に病むような何かがあるとしたら……。三生の件から辿って、そこに想いを馳せることは寧ろ当然のように思う。
らしくない態度や言葉は、そんな自戒からではないのか。僕が先生から感じたのは、そんなことだった。
そして、僕は思う。藍山さんは、どうするのだろう? ――と。
本のことで図書室で話して以降、僕は彼女と話せていない。些細なことも手伝い、また二人の間には完全に距離できてしまった感じだった。
だから、確かなことは言えないけど。あの後、藍山さんが北村先生と話したような様子は、見られない。彼女としても問題が大きいだけに、二の足を踏んでいるのかも……。だけど、それだって無理もないことだ。
でもたった今、北村先生は自らその扉を開けた。生徒の話に耳を傾ける姿勢を、全員の前で示している。
もし、藍山さんと北村先生の間で、お姉さんのことが語られるのだとしたら。それはこの機を置いて他にはないように、僕には思えた。
だから――
「……」
じっと思慮にふける、ような――藍山さん。僕はその横顔を、眺めている。
だけどもし、北村先生が藍山さんのお姉さんのことで、気に病むような何かがあるとしたら……。三生の件から辿って、そこに想いを馳せることは寧ろ当然のように思う。
らしくない態度や言葉は、そんな自戒からではないのか。僕が先生から感じたのは、そんなことだった。
そして、僕は思う。藍山さんは、どうするのだろう? ――と。
本のことで図書室で話して以降、僕は彼女と話せていない。些細なことも手伝い、また二人の間には完全に距離できてしまった感じだった。
だから、確かなことは言えないけど。あの後、藍山さんが北村先生と話したような様子は、見られない。彼女としても問題が大きいだけに、二の足を踏んでいるのかも……。だけど、それだって無理もないことだ。
でもたった今、北村先生は自らその扉を開けた。生徒の話に耳を傾ける姿勢を、全員の前で示している。
もし、藍山さんと北村先生の間で、お姉さんのことが語られるのだとしたら。それはこの機を置いて他にはないように、僕には思えた。
だから――
「……」
じっと思慮にふける、ような――藍山さん。僕はその横顔を、眺めている。