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クラス ×イト
第14章 カイごう 【乾英太4】
「そんな訳で自習になるが、自分の席を離れず大人しくしてれば、特に何をしてようが五月蠅く言うつもりはない。では各自、始めてくれ」
西くんは、皆にそう告げて自分の席に戻ろうとする。
その時、だ。
「どうして先生は、あんな風に言ったんだろうねぇ」
佐川くんが、誰に向けるでもなく、またそんなことを言い出す。
それを訊いて、西くんはピタリと足を止めた。
「オイ、佐川! いい加減にしろ。今はもう、自習の時間だぞ」
「そう怖い顔すんなよ、委員長。お前は知らないみたいだけど、このクラスって――結構、問題が多いらしいぜ。俺たちは色々と耳にしてるし――なあ?」
そう言って同意を求めた佐川くんに、その周囲の何人かが頷く。
その雰囲気を見やると、西くんはまた教壇に立った。
「その問題とは、なんだ? 佐川、具体的に言ってみろよ。一応、俺は委員長――クラスの代表者だ。本当に問題にすべきことなら、それを反故にするつもりはない」
「へえ、そう? じゃあ、その委員長殿の仕切りで――ロングHRの続きをやろうぜ」
「俺は別に、それでも構わない。但し、それ相応の議題を示してもらうがな」
「議題? そうねえ……。じゃあ例えば、高校生の乱れた性について――なんてテーマは、どう?」
「なんだと……?」
西くんと佐川くんのやり取りを聞き、教室内は一気にざわめきを増した。