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クラス ×イト
第3章 あこガれ 【山村佳奈】
教室の後ろの棚に寄りかかり、話をして笑い合う――護と茜。
その会話に耳を傾け――
「――でね、そしたらお父さんに、見つかっちゃってぇ。もう、言い訳するの大変だったんだから」
「ハハハ、バカだな。お前はトロいんだよ」
「だってぇ」
甘えたような茜の声に、私は思わずカチンとした。それと護の方も、私といる時よか何か楽しげに感じてしまう。
「……」
私は我慢できずに席を立つと、二人に冷ややかな口調で訊いた。
「楽しそうだけど、何の話?」
すると――
「別に――大した話じゃないけど。なあ?」
「あ、うん。また私のドジ話だよ」
「……」
そうやって顔を見合わせる二人の姿が、また一段と腹立たしい。
だから、つい――
「まあ、いいけどさ。それよか護、今日の帰り買い物に付き合ってくれない?」
「ああ……別にいいけど」
「ねえ、佳奈。私も一緒に行っても?」
護に続き、茜がそう言った時――。
「は?」
「あ、ううん。なんでもない」
私は茜に対して、敵意を隠さなかった。
礼華がそうしてることに倣って、私は護と付き合ってることを他の皆には言っていない。だから茜に悪気がないことも、一応は知ってる――けど。
これじゃ、独占欲丸出しじゃん……。どうしたら礼華と瀬山みたいに、自然体でいられるのかな?
私がイラつく一番の理由は、礼華のようになれない自分に対してだった。
その会話に耳を傾け――
「――でね、そしたらお父さんに、見つかっちゃってぇ。もう、言い訳するの大変だったんだから」
「ハハハ、バカだな。お前はトロいんだよ」
「だってぇ」
甘えたような茜の声に、私は思わずカチンとした。それと護の方も、私といる時よか何か楽しげに感じてしまう。
「……」
私は我慢できずに席を立つと、二人に冷ややかな口調で訊いた。
「楽しそうだけど、何の話?」
すると――
「別に――大した話じゃないけど。なあ?」
「あ、うん。また私のドジ話だよ」
「……」
そうやって顔を見合わせる二人の姿が、また一段と腹立たしい。
だから、つい――
「まあ、いいけどさ。それよか護、今日の帰り買い物に付き合ってくれない?」
「ああ……別にいいけど」
「ねえ、佳奈。私も一緒に行っても?」
護に続き、茜がそう言った時――。
「は?」
「あ、ううん。なんでもない」
私は茜に対して、敵意を隠さなかった。
礼華がそうしてることに倣って、私は護と付き合ってることを他の皆には言っていない。だから茜に悪気がないことも、一応は知ってる――けど。
これじゃ、独占欲丸出しじゃん……。どうしたら礼華と瀬山みたいに、自然体でいられるのかな?
私がイラつく一番の理由は、礼華のようになれない自分に対してだった。