この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
クラス ×イト
第3章 あこガれ 【山村佳奈】
 教室の後ろの棚に寄りかかり、話をして笑い合う――護と茜。

 その会話に耳を傾け――

「――でね、そしたらお父さんに、見つかっちゃってぇ。もう、言い訳するの大変だったんだから」

「ハハハ、バカだな。お前はトロいんだよ」

「だってぇ」

 甘えたような茜の声に、私は思わずカチンとした。それと護の方も、私といる時よか何か楽しげに感じてしまう。

「……」

 私は我慢できずに席を立つと、二人に冷ややかな口調で訊いた。

「楽しそうだけど、何の話?」

 すると――

「別に――大した話じゃないけど。なあ?」

「あ、うん。また私のドジ話だよ」

「……」

 そうやって顔を見合わせる二人の姿が、また一段と腹立たしい。

 だから、つい――

「まあ、いいけどさ。それよか護、今日の帰り買い物に付き合ってくれない?」

「ああ……別にいいけど」

「ねえ、佳奈。私も一緒に行っても?」

 護に続き、茜がそう言った時――。

「は?」

「あ、ううん。なんでもない」

 私は茜に対して、敵意を隠さなかった。

 礼華がそうしてることに倣って、私は護と付き合ってることを他の皆には言っていない。だから茜に悪気がないことも、一応は知ってる――けど。

 これじゃ、独占欲丸出しじゃん……。どうしたら礼華と瀬山みたいに、自然体でいられるのかな?

 私がイラつく一番の理由は、礼華のようになれない自分に対してだった。
/579ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ