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クラス ×イト
第3章 あこガれ 【山村佳奈】
ちょっと変な感じになっちゃったけど、まあ別にいいか……。
とんかく私の周囲の人間関係は、大体こんな感じってこと。仲間だなんて言ってみたけど、実際の処はこんなものだ。
お互い何かを許し妥協して、見かけ上はそれなりに仲良くしたりもしている。けど、さっきも話したように、私からしたら礼華の存在がほぼ全てだった。
だから私が意識する相手は、自然と礼華が気にかけているかどうかが、その判断の元になる。そんな意味で、まだ私が話すことがあるとすれば、単なるクラスメイトの中ではあと二人だけ。
それは、西慶介(にし けいすけ)と藍山栞だった。
調度今、そのうちの一人である西慶介が、礼華に話しかけて来ている。
私は席に戻り、二人の会話を耳にした。
「赤緒。瀬山の奴、どうして来てないんだ?」
「知らないって。私に聞かないでくれない」
「そうは言っても、他に聞く奴なんていないだろ」
「どうして?」
「どうしてって――瀬山は、お前の彼氏なんだろ?」
西は全く無遠慮に、そう訊ねてゆく。
「……」
それを傍らで、聞いていいた私。礼華がどう答えるのか、とても気になっていた。
確かに礼華と瀬山は、誰の目にもそう映るのだろう。けど本人たちが仲間内にさえ関係を明らかにしてないのは、さっきも話した通りだった。
礼華のすることだから、私はそれを尊重している。けど、実際はどうなのかと気にならないわけはないから。
そして礼華にも物怖じしない西だから、こんな風に訊くことができていた。
とんかく私の周囲の人間関係は、大体こんな感じってこと。仲間だなんて言ってみたけど、実際の処はこんなものだ。
お互い何かを許し妥協して、見かけ上はそれなりに仲良くしたりもしている。けど、さっきも話したように、私からしたら礼華の存在がほぼ全てだった。
だから私が意識する相手は、自然と礼華が気にかけているかどうかが、その判断の元になる。そんな意味で、まだ私が話すことがあるとすれば、単なるクラスメイトの中ではあと二人だけ。
それは、西慶介(にし けいすけ)と藍山栞だった。
調度今、そのうちの一人である西慶介が、礼華に話しかけて来ている。
私は席に戻り、二人の会話を耳にした。
「赤緒。瀬山の奴、どうして来てないんだ?」
「知らないって。私に聞かないでくれない」
「そうは言っても、他に聞く奴なんていないだろ」
「どうして?」
「どうしてって――瀬山は、お前の彼氏なんだろ?」
西は全く無遠慮に、そう訊ねてゆく。
「……」
それを傍らで、聞いていいた私。礼華がどう答えるのか、とても気になっていた。
確かに礼華と瀬山は、誰の目にもそう映るのだろう。けど本人たちが仲間内にさえ関係を明らかにしてないのは、さっきも話した通りだった。
礼華のすることだから、私はそれを尊重している。けど、実際はどうなのかと気にならないわけはないから。
そして礼華にも物怖じしない西だから、こんな風に訊くことができていた。