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クラス ×イト
第14章 カイごう 【乾英太4】
「……」
だけど、だけど……さ。
やっぱり項垂れているだけなのは……とても悔しくて、何か情けななって……。
寂しさと無力さに、打ちのめされながらも――僕はその『機会』を、窺っていたのかもしれない。
そして――そんな僕の耳に、その声は届いていた。
「あーあ……。何か想像以上に、大きな地雷を踏んじまった気分。言っとくけど、別に悪気があったわけじゃねーからな。俺は事実を喋っただけなんだし」
その飽くまでも勝手な、佐川くんの言葉が――僕にその『機会』を与えてくれているように――僕にはそう思えていた。
ピン――――と、僕の中で何かが、弾け飛んだような感覚。
それがあった――後に――気がつけば、僕は――
生まれて初めて――腹の底から湧きあがるような――それは不可思議な昂揚と共に――。
「うわあああああああっ!」
獣の慟哭の如き、その叫びを上げた――。