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クラス ×イト
第14章 カイごう 【乾英太4】
――――!?
何があったのかと、皆のキョトンとした顔が、その視線が次々と僕へと突き刺さってゆく――。
誰も僕の想いは知らないから――それは、仕方のないことで――あるし。
叫びを上げた僕ですら、何がどうなってそうしたのか、本当の部分はわかっていない。
たぶん――僕は――示したかった。
何時もクラスの端っこで、人に遠慮しながら過ごしていた。
僕と要二と三生の――何処か満ち足りない日々を、刹那の猛りに変えて――。
この一度だけ――この時だけ――僕はこの存在を、示しておかなければならない――。そんな気持ちが確かに、根源にあったのだろう。
席を立った僕は、猛然と佐川くんに飛びかかって――いて。
「うわっ……なんだよ!」
――ガシャ!
気がつけば椅子と机、もろ共――佐川くんの身体を床の上へと押し倒していた。
「キャ――な、なに?」
「一体、どうした?」
突然の出来事に、騒然とした生徒たちの言葉と――驚きの顔。
取り囲むそれらの中で、佐川くんに馬乗りになると、その襟首を掴み――
「君は――三生の気持ちを考えたことがあるのかっ! 要二の決断の意味を知っているのかっ! 面白がってネタにして――勝手なことばかり、口にするなよっ!!」
僕は頭が混乱したままに、そう喚き散らしていた。