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クラス ×イト
第14章 カイごう 【乾英太4】
 中学時代の元親友――孤独を感じていた僕を救ってくれたのは、澤田裕樹だった。

 そして、もう一人――。

 北村先生の登場により、水を打ったように鎮まった教室の中で――彼女は静かに、窓際の席を立っている。


「……?」

 僕に歩み寄る――藍山栞。その姿を、僕はじっと眺めていた。


「立って」


 藍山さんは短くそう伝え、僕に清らかなその手を差し伸べる。

「あ……」

 自然とその手を握り、立ち上がる僕。

 涙に濡らしたその頬を、藍山さんが制服の袖でそれを拭った。

「……?」

 そして――呆然としたままの僕に、彼女はその顔を寄せて……。

 耳元で――そっと囁く。


「私、ずっと――乾くんを、見ていた」


「え……?」


 次の言葉は、その証――。


「――one’s way」


「――――!」


 『one’s way』――その言葉の意味は『途中』?


 そして、僕の小説にメッセージをくれた人――『onesway』。


 僕の中でゆっくりと、だけど確実に――それは繋がりとなった。


「あ……藍山さん……だっだ……の?」


 そう訊いた僕の顔を見据え、彼女はコクリと頷く。
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