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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
「礼華……?」
木陰にいた私を、宗助が見つける。
「わ、私……」
思わず顔を背けて、私は口籠っていた。
だけど――
「行こうか」
宗助は、そう私を促し――私たちは、いつもと同じように、肩を並べて歩く。
少なくとも見かけ上は、それは、いつもと同じ……だった。
「……」
黙ったまま進み、学校を後にしながら、私は考えている。
それは――私と宗助の、これからの――こと。
恋人同士になれないことを知りながら、それでも共にあった。そこに絡みつくものは、二人の意思を超えた魑魅魍魎の如き大人たちの呪縛。
それがいつでも、私に物事を見誤らせている。
それが解けた時――いつの日にか、私たちは……。そんな希望を結局、私は捨て切れずにいた。
それは――この時に――至る――まで。
「西に……貴方の気持ちを、伝えて」
「……」
あの日――放課後の教室で、私は宗助に――言った。それで、何か変わる気がして――? 違う、きっと変えなければならないと、それはずっと前からわかっていたの、だけど……。
私は――瀬山宗助が好きだ。そして――その気持ちは、この瞬間にも変わることはなかった……。
私はそんな自分が虚しくて……だけど、恐らく……ホッとしても、いたのかもしれない。