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クラス ×イト
第2章 だメンず 【乾英太1】
 昼休み――【2―C】の教室。

 クラスメイトたちの騒がしい雑踏の中で、僕ら三人が集まるのは教室の前方の入口付近だった。

 そこは人の行き来が多くて、とても落ち着く場所とは言えない。でも他に集まれる場所もないから、それも仕方がないことだと諦めている。

 僕らは弁当を食べ終えると、いつもみたい他愛のない話に華を咲かせていた。


「たぶん、二期はないでしょ。一応、話題になった感じもあるけどね。でも原作の大半は、一期で消化しちゃってるし。大体、新刊が一年近く出てないんだから、話にならないよ」

 ずり下がる黒縁の眼鏡を人差し指で上げつつ、僕がそう話す。この時の話題は、今週最終回を迎えた深夜アニメについて――。

 すると、僕の向かいに座る要二は言う。

「どうせなら学園祭の話は、じっくりやって欲しかったよな。ダイジェスト的に、一話であっさり終わらせやがって。あと中盤以降、作画崩壊しすぎ。どう見ても手抜きだろ」

 この些かぶっきらぼうな口調なのが、去河要二(さるかわ ようじ)だ。

 本人に言うと怒るけど、ちょっとばかりぽっちゃりの体型。だけど見ようによっては、愛嬌もあったりして。この丸顔でちょっと毒舌な要二を、僕は割と気に入っていた。

 それと、もう一人。時折、遠慮がちに三生が言葉を挟む。

「低予算だから、仕方ないと思う……。だけど、ラストは中途半端だよね。原作が完結してないから、ある程度は仕方ないけど。もう少し、何とかならないのかなあ……」

 喜嶋三生(きじま みつお)は、いつだってとても控え目だ。

 ひょろっと細長い長身だけど、青白い顔をしていて少し不健康そうな印象は否めない。僕が言うのもなんだけど、少しオドオドとしすぎみたい。穏やかで優しい奴なのは、間違いないけどもね。

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