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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
「え……あ!」
無意識だった。だから、そう聞いて私は不意に、気恥ずかしさを覚えていた。
「ご、ごめんなさい。私、つい……」
「咎めるようなことじゃないさ。それに――」
宗助は私のことを、まじまじと見つめ――
「今の礼華――とても、素直に見える」
と、言う。
「え……?」
思わぬ言葉に面食らって、足を止めた――私。
宗助はクルッと振り向くと、私に向き合った。
「些細なことかも、しれない。だけど――俺たち、変わり始めているんだ」
「宗助……」
「きっと、それは悪いことじゃない。だから、礼華――今を逃しちゃ駄目だ。媛交なんて――今の礼華には、似合わないよ」
宗助の背中を煽った風が、私の頬を撫でて――。その感覚が、私の想いを昂らせてゆく――。
でも宗助は――そんな私に、そっと背中を向けた。
「中央病院――」
「――!?」
「行って来いよ。喜嶋の様子――気になるだろ?」
「そ、それは……だけど……」
「先生の話だと、だいぶ落ち着いているらしい。乾も行くと言ってたし、な」
「私の顔なんて、きっと……だって……私のせいで、あんなことに……」
「何があったかは、聞かない……が、元を正せば、俺のことが原因だった筈だ」
「ち、違う。私が勝手に……」
「いや……違わない」