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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
珍しく頑なな言葉を発した後、宗助は少し照れたような顔をその肩口に覗かせる。
「こんな処で、俺たちが言い合っていても、仕方ないよな」
「……」
「とにかく、俺も気になるんだ。頼むから、様子を見て来てくれないか」
「宗助……は?」
「勝手を言うようで、悪いけど……今は少しだけ、一人になりたいんだ」
「……」
私の前では、変わらぬように振る舞ってはいるけど……。
宗助が経験したことを、失恋と言い表すのだとしたら、それはあまりに言葉が足りない。あの告白は同時に、マイノリティーである自分を皆の前に示す結果に直結しているから……。
西を近くで見ていた宗助は、報われる可能性がないことも承知の上で、それを果たした。あの一言にどれだけの勇気が込められ、その結果――宗助の中で、どれだけのものが削られていったのだろう。
私は同様の覚悟をもって、宗助にそれを強いたというのだろうか……?
そう、考えた時――。
「わかったわ……私、行って来る」
私は病院に向かうことを、決意していた。
「こんな処で、俺たちが言い合っていても、仕方ないよな」
「……」
「とにかく、俺も気になるんだ。頼むから、様子を見て来てくれないか」
「宗助……は?」
「勝手を言うようで、悪いけど……今は少しだけ、一人になりたいんだ」
「……」
私の前では、変わらぬように振る舞ってはいるけど……。
宗助が経験したことを、失恋と言い表すのだとしたら、それはあまりに言葉が足りない。あの告白は同時に、マイノリティーである自分を皆の前に示す結果に直結しているから……。
西を近くで見ていた宗助は、報われる可能性がないことも承知の上で、それを果たした。あの一言にどれだけの勇気が込められ、その結果――宗助の中で、どれだけのものが削られていったのだろう。
私は同様の覚悟をもって、宗助にそれを強いたというのだろうか……?
そう、考えた時――。
「わかったわ……私、行って来る」
私は病院に向かうことを、決意していた。