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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】

「何故――」

 貴方が、謝るの――? 必死ささえ漂わせ、私に頭を下げた姿。私はそれを唖然として、眺めていた。

 すると、喜嶋くんは病室の壁を見つめながら、その真意を静かに話し始める。

「今、来てた二人、ね。僕の仲間なんだけど……久しぶりに三人で話してみて、思ったんだ。ああ、僕は……なんて馬鹿なことしたんだろ、って」

「……」

「普段通り、他愛のないことを話しただけなのに……やっぱり、伝わってきた。僕のこと……とても、心配してくれてるんだなって。そう感じた時、二人の気持ちは嬉しかったけど、心の奥の方では……凄く、ゾッとしてきて。僕……急に怖くなったんだ」

 幸い大事には至らなかった。だけど、一歩間違えれば……。私は聞きながら、彼の心理を察したけれど、喜嶋くんの意図する処とは微妙に違っていたみたい。

 喜嶋くんは、間を置きながら、ゆっくりとした言葉を続ける。

「もし万一のことがあって、その後。二人がどんな想いをするのか……そんな想像をして、怖かった。当然、家族にだって、同じことを。でも……だけどね」

「……?」

 その時、私をじっと見つめ――


「僕が一番、怖かったのは――赤緒さんの気持ちを、考えた時だった」


 彼は――言った。
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