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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】

「えっ――!?」


 聞いて――思わず、声を零す――私。

「昨日、あんなことがあって、その直後、僕に何かあったら……きっと、赤緒さんは自分を責めることになる。こうして、会話することもなく……僕のホントの気持ちを知ることも、できなくって。きっと自分のせいだと……やりきれない想いを、何倍にも大きく膨らませてしまうんじゃないか。そう考えたら、僕は……」

「ど……」

 私の声が言葉になるより先に、彼の想いが連なった。

「だから僕は今――誰よりも、赤緒さんと話したかった。僕はキミに当てつけようなんて、そんな風に思った訳じゃないんだ。少し驚いて、自分を見失っただけ……本当に、それだけのことなんだ。だから……軽はずみな自分の行動を、まず君に謝っておきたい」


「――どうして!」


 私は耐え切れなずに、そう声を上げる。居た堪れない心を表すように、その両手はスカートをギュッと掴んでいた。

「どうして……可笑しいじゃない。だって、私は……貴方に酷いことしか、してない。嫌な女でしか、なかった。もしも貴方が、もっと大変なことになったとしても。私なんて――自分には関係ないって、素知らぬ顔をしていたのかもしれない。そう、思わなかったの?」

 興奮も顕わに、私は怒ったように――喜嶋くんに問う。それでも、彼は――

「そんなこと、思う訳がない」

 迷うことなく、そう応えていた。
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