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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
その白岩さんが、私の前に再び姿を現したのは、それから半年後のこと。
それは、取りも直さず――父が工場の経営を立て直すことに、失敗したことを意味していた。子供の私ですら、それを否応なく思い知らされている。
まず私たち親子は、暮らしてきた家を追われた。父と共に転がり込んだのは、古びたアパートの一室。その同じアパートの両隣の部屋には、常に怖い風貌の男の人たちがいて、時折私たちを訪ねていた。
後で知ったことだが、それは白岩さんが用意した部屋であり、その男たちは私たちが逃げないよう見張っていたのだった。
家も、閉鎖した工場も等しく借金の形に取られた。しかしそれでも、まるで返し切れないと、父は言う。
じゃあ一体、どうするの……。先行きも見えずに、私は不安に駆られていた。
しかし――それなら、どうして白岩さんは、お金を貸したのか。既に傾いていた工場を、父が立て直すと、そう信じていたのだろうか。
だが、それは浅はかな子供の考え方に、過ぎなかった。白岩さんは初めから、こうなることを見越していたのだ。
その上で、貸したお金に多額な利子を乗せて――それを回収できるだけの目論見が、白岩という男の頭には出来上がっていた。
「お嬢ちゃん……久しぶりだね」
部屋を訪ねた白岩さんは父にではなく、私に向かって話しかけている。
それを不思議に思う間も無く――。
――ドサッ!
私の目の前に置かれたのは、大量の衣服。雑誌で見たようなブランドの服は、全て女物であった。
「これは……?」
「好きに着てみるといい。全部、お嬢ちゃんのモノだよ。おじさんからのプレゼントだ」
「どうして、私に……?」
その当然な疑問に、口元に笑みを携えた白岩さんは――こう答えた。
「確か……礼華ちゃん、といったかな。今日からキミは――『商品』になるんだよ」
それは、取りも直さず――父が工場の経営を立て直すことに、失敗したことを意味していた。子供の私ですら、それを否応なく思い知らされている。
まず私たち親子は、暮らしてきた家を追われた。父と共に転がり込んだのは、古びたアパートの一室。その同じアパートの両隣の部屋には、常に怖い風貌の男の人たちがいて、時折私たちを訪ねていた。
後で知ったことだが、それは白岩さんが用意した部屋であり、その男たちは私たちが逃げないよう見張っていたのだった。
家も、閉鎖した工場も等しく借金の形に取られた。しかしそれでも、まるで返し切れないと、父は言う。
じゃあ一体、どうするの……。先行きも見えずに、私は不安に駆られていた。
しかし――それなら、どうして白岩さんは、お金を貸したのか。既に傾いていた工場を、父が立て直すと、そう信じていたのだろうか。
だが、それは浅はかな子供の考え方に、過ぎなかった。白岩さんは初めから、こうなることを見越していたのだ。
その上で、貸したお金に多額な利子を乗せて――それを回収できるだけの目論見が、白岩という男の頭には出来上がっていた。
「お嬢ちゃん……久しぶりだね」
部屋を訪ねた白岩さんは父にではなく、私に向かって話しかけている。
それを不思議に思う間も無く――。
――ドサッ!
私の目の前に置かれたのは、大量の衣服。雑誌で見たようなブランドの服は、全て女物であった。
「これは……?」
「好きに着てみるといい。全部、お嬢ちゃんのモノだよ。おじさんからのプレゼントだ」
「どうして、私に……?」
その当然な疑問に、口元に笑みを携えた白岩さんは――こう答えた。
「確か……礼華ちゃん、といったかな。今日からキミは――『商品』になるんだよ」