この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
そうして――初めて私が、売られる夜が来る。
白岩さんの運転する車の――その後部座席。
「……」
そこに所在無く、鎮座する――私が、いた。
夜の街並みに車を走らせながら、白岩さんは言う。
「なぁに、大したことじゃないさ。誰もが経験することを、少し早めに済ませるだけ。まあ、違うのは――相手を選ばない代わりに、お金を頂戴するってことかな。優先することは、人それぞれだからねぇ。考えようによっては、決して悪い話でもないんだよ」
「わ……」
「キミに相手をしてもらうのは、主に金持ちのオジサンだ。あまり無茶はしないように、言い聞かせてある。まあ、最も――キミの歳を知った上で、それを所望する時点で真面な人格とは言い難いがね。それでも、大人しくしていれば、沢山のお金をくれる――つまりは、いいお客様って訳だ」
「私……」
必死に何かを言おうとして、でもどう言えばいいか、まるでわからない。
「お父さんは――もう、キミを売っている」
「――!」
それは既に、わかっていたこと。だけど、改めて言われて、私は……。
まだ、冬でもないのに、身体が凍えるようで……とても、寒かった。
「……」
震える身を縮めている私を、白岩さんがルームミラー越しに見る。すると――
――――キッ! と、突如として、車は停車していた。
白岩さんの運転する車の――その後部座席。
「……」
そこに所在無く、鎮座する――私が、いた。
夜の街並みに車を走らせながら、白岩さんは言う。
「なぁに、大したことじゃないさ。誰もが経験することを、少し早めに済ませるだけ。まあ、違うのは――相手を選ばない代わりに、お金を頂戴するってことかな。優先することは、人それぞれだからねぇ。考えようによっては、決して悪い話でもないんだよ」
「わ……」
「キミに相手をしてもらうのは、主に金持ちのオジサンだ。あまり無茶はしないように、言い聞かせてある。まあ、最も――キミの歳を知った上で、それを所望する時点で真面な人格とは言い難いがね。それでも、大人しくしていれば、沢山のお金をくれる――つまりは、いいお客様って訳だ」
「私……」
必死に何かを言おうとして、でもどう言えばいいか、まるでわからない。
「お父さんは――もう、キミを売っている」
「――!」
それは既に、わかっていたこと。だけど、改めて言われて、私は……。
まだ、冬でもないのに、身体が凍えるようで……とても、寒かった。
「……」
震える身を縮めている私を、白岩さんがルームミラー越しに見る。すると――
――――キッ! と、突如として、車は停車していた。