この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
それでも――人というのは、環境に適応する生き物らしく。私は身を以って、それを知り得ている。
最初の夜から、半年後。私は週に一回か二回、白岩さんのコネクションを通じて、お客を取り続けていった。その誰もが何をしている人なのか、私に知らされることはないけれど。
その誰もが、社会の中にあっては、相当の実力者なのは、間違いがなかった。
私は次第に世の中というものに対し、穿った目を向けるようになり。
そして――私はその汚れた世界の中で、変わっていった。
中学での学年が二年から三年に上がったという、そんな些細な変化など可笑しく感じる。私は外見も内面も、著しく変貌していて。それはもう、周囲の友達が、近寄らなくなるくらいに……。
そしてそんな頃も不定期に――その夜も、私は白岩さんの運転する車で、客の待つ部屋へと運ばれていた。
その途中での、会話。
「白岩さん。今日は誰? この前の中田って人なら、勘弁してほしいんだけど」
「そう? 比較的、若いし。割とイケメンだと思うけども」
「若さとか見た目とか、どうでもいいの。逆に雑だったり、しつこかったりで、面倒なんだし。それと、あの男――Sっ気あるみたい。ピシャピシャ叩かれたりして、凄くウザかった」
「ハハ、わかったよ。次の時があれば、きつく言っておこう。それに、今夜は新しいお客さんだから」
「ふーん、歳は?」
「礼華のお父さんと、同じくらいかな」
「あのさ……そういう言い方、止めない。やっぱ、萎えるんだよね……」
「それは――失礼」
私は白岩さんに、そんな軽口を利きながら。
また見知らぬ男の待つ部屋へと、向かっている。
この身体を、抱かせる為だけに――。
最初の夜から、半年後。私は週に一回か二回、白岩さんのコネクションを通じて、お客を取り続けていった。その誰もが何をしている人なのか、私に知らされることはないけれど。
その誰もが、社会の中にあっては、相当の実力者なのは、間違いがなかった。
私は次第に世の中というものに対し、穿った目を向けるようになり。
そして――私はその汚れた世界の中で、変わっていった。
中学での学年が二年から三年に上がったという、そんな些細な変化など可笑しく感じる。私は外見も内面も、著しく変貌していて。それはもう、周囲の友達が、近寄らなくなるくらいに……。
そしてそんな頃も不定期に――その夜も、私は白岩さんの運転する車で、客の待つ部屋へと運ばれていた。
その途中での、会話。
「白岩さん。今日は誰? この前の中田って人なら、勘弁してほしいんだけど」
「そう? 比較的、若いし。割とイケメンだと思うけども」
「若さとか見た目とか、どうでもいいの。逆に雑だったり、しつこかったりで、面倒なんだし。それと、あの男――Sっ気あるみたい。ピシャピシャ叩かれたりして、凄くウザかった」
「ハハ、わかったよ。次の時があれば、きつく言っておこう。それに、今夜は新しいお客さんだから」
「ふーん、歳は?」
「礼華のお父さんと、同じくらいかな」
「あのさ……そういう言い方、止めない。やっぱ、萎えるんだよね……」
「それは――失礼」
私は白岩さんに、そんな軽口を利きながら。
また見知らぬ男の待つ部屋へと、向かっている。
この身体を、抱かせる為だけに――。