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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
車が向かっているのは、その客が所有するマンションだと、いうこと。マンションの一室ではなく、そのマンション全体のオーナーという意味らしく。
そんなことを私に説明た上で、白岩さんは私に言った。
「ともかく――礼華。今夜のお客には、失礼がないように頼む。この街では、指折りの資産家だ。気に入ってもらえれば、きっと太客になる。そうすれば――」
「借金も、あっと言う間に返済?」
私が言葉尻に乗って、そう訊ねると――
「まあ、そんな処かな……」
ミラー越しの白岩さんの顔が、苦笑していた。
それを見て、私は不意に少し苛立つ。
「私――あと何回すれば、借金はなくなるの?」
「返済状況なら、お父さんに伝えてある。話してないのか?」
「あんな奴――もう、父親だなんて、思ってないわ」
「そう……だろうけど」
私の様子を見て、白岩さんは、ふっとため息を漏らしていた。
暫く黙った後、私は改めて白岩さんに訊く。
「ねえ、白岩さん。白岩さんの会社って、闇金っていうんだよね。甘い言葉で釣ってお金を貸しておいて、後でむしれるだけむしり取る。それも、とても高い利息でね。それってやっぱ、儲かるんでしょ?」
「ハハ……随分と人聞きが、悪いんだな。そんなに儲かってたら、礼華のマネージャーみたいな真似してないよ。だけどどうして、急にそんなことを訊くんだい?」
「私ね……考えたんだ。奪う側と奪われる側――その二種類しかないなら。私は絶対に、奪う側になる。この最低な生活から、私はそう学んでるの……」
その時、そう話す私は、一体どんな顔をしていたのだろう。
きっと、大人の事情に振り回された挙句に、ひねくれ捩れて……。
それでも、何らかの想いを内に秘め。その眼差しにも――黒い影を宿しつつあった。
その後、あの出会いがなければ、何処までも墜ちていったのかも、しれない。
そんなことを私に説明た上で、白岩さんは私に言った。
「ともかく――礼華。今夜のお客には、失礼がないように頼む。この街では、指折りの資産家だ。気に入ってもらえれば、きっと太客になる。そうすれば――」
「借金も、あっと言う間に返済?」
私が言葉尻に乗って、そう訊ねると――
「まあ、そんな処かな……」
ミラー越しの白岩さんの顔が、苦笑していた。
それを見て、私は不意に少し苛立つ。
「私――あと何回すれば、借金はなくなるの?」
「返済状況なら、お父さんに伝えてある。話してないのか?」
「あんな奴――もう、父親だなんて、思ってないわ」
「そう……だろうけど」
私の様子を見て、白岩さんは、ふっとため息を漏らしていた。
暫く黙った後、私は改めて白岩さんに訊く。
「ねえ、白岩さん。白岩さんの会社って、闇金っていうんだよね。甘い言葉で釣ってお金を貸しておいて、後でむしれるだけむしり取る。それも、とても高い利息でね。それってやっぱ、儲かるんでしょ?」
「ハハ……随分と人聞きが、悪いんだな。そんなに儲かってたら、礼華のマネージャーみたいな真似してないよ。だけどどうして、急にそんなことを訊くんだい?」
「私ね……考えたんだ。奪う側と奪われる側――その二種類しかないなら。私は絶対に、奪う側になる。この最低な生活から、私はそう学んでるの……」
その時、そう話す私は、一体どんな顔をしていたのだろう。
きっと、大人の事情に振り回された挙句に、ひねくれ捩れて……。
それでも、何らかの想いを内に秘め。その眼差しにも――黒い影を宿しつつあった。
その後、あの出会いがなければ、何処までも墜ちていったのかも、しれない。