この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
 その男は、それまでの客とは、何処か違っていた。だけどそれが、いい意味の筈もなくて……。

 男が待つ、そのマンションの最上階の部屋。そこに私を連れ立った白岩さんに、男は言う。


「白岩くん――本当に、大丈夫なんだろうね? こう言ってはなんだが……私は君たちと違って、立派に社会に貢献して生きてきた人間なのだよ。地元では、それなりの名声を博し、大事な家族だってある。こんな小娘と遊んだばっかりに、何ひとつ失うようなことは、あってはならないんだ」

 ギラギラした目と脂ぎって大きな迫力のある顔つき。終始、蔑むような態度で、その男は私たちの前に存在した。

「ええ……ご迷惑おかけするようなことは、決してありませんよ。この娘に関しては、私が責任をもって一切を管理しております。どうか、ご安心して、お楽しみください」

 白岩さんがそう言ったのを聞くと――

「そう……か」

 男は初めて、その隣の私にジロリとした視線を向ける。

「……」

 それまでも、散々。大人の男たち品定めする如き目に、晒され続けた私。

 だけど、そんな私が怯ませるほどに、その男の纏った雰囲気は――何処か禍々しかった。

「歳は?」

 男にそう聞かれ、私は思わず白岩さんの顔を仰ぐ。普段なら、暗黙の中で語ってはならない部分だった。

 しかし、白岩さんが静かに頷くのを見て、私はそれに答える。

「14歳……」

 すると――

「ふん。息子と同じじゃないか……。親の顔を、見てやりたいものだな」

 男は呆れたように、そう言って。それなのに、その言葉に反するように直後――ニタリと愉しげに笑んだ。


 後に知る、その男の名は――瀬山紘一郎。

 それこそが――宗助の父親であった。
/579ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ