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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
訪れていたのは、男の息子……? 男が最初に話した通りなら、その彼は恐らく私と同い年の筈……だけど。
私はそんなことを頭の片隅に置きながら、その父子の会話に耳を傾けていた――。
『宗助……こんな夜中に。一体、どういうことだ?』
『この辺りの友達の家に寄った、そのついでだよ。それにさ――父さんが、家に帰らないもんだから。母さんの機嫌が、最近あまり良くなくってね』
『仕事が忙しいんだ。母さんも、理解している』
『だけど、せめて週末くらい帰ったらいいのに。車なら、たったの三十分の距離でしょ?』
『私の仕事がどんなものか……お前だって、もうわかる年頃の筈だぞ。日中に限らず、夜には夜の付き合いというものがある。それらを総じて、私の仕事だ。休暇など、皆無に等しい。だが……私がそうして働くからこそ、お前たちには何一つ不自由をさせてもいない。そうだな?』
『それは、わかってるさ。もちろん、感謝だってしてるよ』
『フン――そんなつまらんことを、わざわざ言いに来た訳でもあるまい』
『まあ……ね。ちょっと、進路のことで相談があったんだ』
「……」
ソウスケ……と言う名の、男の息子。彼はそう言うと、声のトーンをやや変えた。
私はそんなことを頭の片隅に置きながら、その父子の会話に耳を傾けていた――。
『宗助……こんな夜中に。一体、どういうことだ?』
『この辺りの友達の家に寄った、そのついでだよ。それにさ――父さんが、家に帰らないもんだから。母さんの機嫌が、最近あまり良くなくってね』
『仕事が忙しいんだ。母さんも、理解している』
『だけど、せめて週末くらい帰ったらいいのに。車なら、たったの三十分の距離でしょ?』
『私の仕事がどんなものか……お前だって、もうわかる年頃の筈だぞ。日中に限らず、夜には夜の付き合いというものがある。それらを総じて、私の仕事だ。休暇など、皆無に等しい。だが……私がそうして働くからこそ、お前たちには何一つ不自由をさせてもいない。そうだな?』
『それは、わかってるさ。もちろん、感謝だってしてるよ』
『フン――そんなつまらんことを、わざわざ言いに来た訳でもあるまい』
『まあ……ね。ちょっと、進路のことで相談があったんだ』
「……」
ソウスケ……と言う名の、男の息子。彼はそう言うと、声のトーンをやや変えた。