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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
 そして程無く、次第に高らかとなった、私の声が――隣のリビングまで、私の存在を報せていた。


『父さん――誰か、いるの?』

『そ、宗助――そっちに、行くんじゃない!』


 バタバタとした、足音が聴こえ――そして、扉は開く。

 それは、私の望んだ結果では、なかった。男に憎しみを向けながらも、一方で懐柔されつつあった私に、その指示に逆らう意思はなかった。

 その部分に決して誤りはなく。私は自棄となり、男に一矢を向けるつもりなど、皆目ありはしなかった。

 だけど、気がつけば――


「――!?」


 扉を開け放つと、そこに居た私を見て――ソウスケは絶句してる。それは、無理もないこと。自分の父親の寝室で、突如として笑い出した少女に対する、それこそが当然の反応。

 剰え――その私の姿は、裸である。父親に扱われた跡が、身体の所々に染みつく。そんな痛々しく、汚らしい身体。

 その姿を――それでも私は、ソウスケに晒していた。そんな出会いを、どうしてこの私が望んだりするものだろうか……。


「き、君は……誰?」


 ようやく絞り出された、その言葉。ソウスケはリビングから差し込む灯りに浮かび上がる、私の姿を息を呑みながら見つめた。


「ッ……!」


 その背後には、その父親――。青ざめた痛恨の表情の男も、また弁解すらできずにいる。


 その父子の視線を受けて――ようやく、狂気に傾いた笑みを、止んだ私。


「私は……礼華」


 そうして――自らの名を、ソウスケへと告げた。


 …………………。


 その後は――誰もが言葉を見失い。これ以上もなく、殺伐と空気だけが、何処かけばけばしい感覚を――私の素肌に伝えてゆく。
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