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クラス ×イト
第3章 あこガれ 【山村佳奈】
※ ※
その日の帰り私は護と一緒に、駅前デパートに立ち寄る。幾つかのショップを流し見てから、私は護に言った。
「特に欲しいものもないし、そろそろ帰ろっか」
「はぁ――買い物があるから、付き合えって言ってただろ?」
「だから探したけど、なかったの。いいから、もう帰るよ」
「だったら、さ――この後、佳奈の家に行ってもいいだろ?」
「え……? 今日は、ちょっと……ダメ、だよ」
私がそう言葉を濁すと――
「なんだよ。だったら別に、二人で来る必要あったのかよ」
護はしらけたように、そう言った。
その顔を見て、私は思わずイラッとする。
「なによ、その言い方! 茜と一緒が良かったってこと?」
「べ、別に茜って言ってねーし。礼華とか澤田とか……皆でって意味だろ」
「だったらなんで、焦ってるわけ?」
「は? 焦ってねーから。お前、なんで茜のことなんか気にしてんだよ」
護に、そう言われた時――。
「ざけんな! あんな巨乳だけが取り柄な女、眼中ないし!」
私はそこが店先であることも忘れ、そう叫んでいた。
「オイ、佳奈……」
「あっ……!」
周囲の人たちの視線がこっちに――。それに気がついて、私は赤面してる……。