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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】

 父親が借金をしたから――私は年端の行かぬ、その身を闇に落し……。

 父親が私を抱いたから――宗助は、私に負い目を感じている……。

 取り留めもなく身を寄せ合った挙句に――今度は私が、宗助に……。

 それは、そんな――結果を生んだ。


 私たちと同じクラスになったのは、宗助の幼なじみの――西慶介。彼こそが、宗助がその想いを寄せた、相手。

 西が故あって受験に失敗した不運は――何も彼だけのものではなかった。宗助は密かに離れて自分を見つめ直す、その切っ掛けを失ってしまっている。

 それだけは間違いなく、私により齎されていた事象だった。


 それを知った時から、互いの負の感情こそが、私と宗助を結びつける――鎖。

 私の中に生まれかけていた、まだ形にならない微かなものに、期待を寄せてみたりたり、なんて――なんて、愚かなことだろう、と。何気にそのことに気づくと、それがはっきりとした形を成す前に、私はそれを心に閉ざす。

 だけど、宗助の隣りから離れてしまうのは――嫌だった、から。私はせめて、宗助を思いやることに、して――そんな自分を、認めようとするのだった。

 私の想いは、常にクシャと丸めた紙屑みたいで――それを綺麗に伸ばして、そこに何が書かれているか確認するのは、とても骨の折れること。言葉にして表すのは、何時でも苦手。


 だから――わかって、なんて――私は誰にも、言えずに。私もそれを望んだり、しない――そう、していた。
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