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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
クラスの中での私の立ち位置を決めたのは、山村佳奈だったのだろう。
「赤緒さんって、さ。とても、オシャレなんだね」
そんな風に言って、佳奈は私に近づいて来ていた。
見知らぬ男の目に晒される為だけに、着飾って磨かれていたであろう、その姿。そんな私に羨望の目を向けた彼女が、とても不思議だと思えた。
そのまま佳奈は、私の側に居つくようになる。そして、私の価値を自然と周囲に広めていったのも、佳奈だったように思う。
気がつけば私の周りには、クラスでも一目置かれるような男女が集結していて。佳奈によれば、それが私に相応しい仲間であると、いうことらしい。
自分を蔑む私が、事もあろうかクラスで一番のステータスを持ち合わせているかのように祭り上げられく。そんな望みもしない現実が、馬鹿らしく、それでいてとても滑稽だった。
それでも、不思議と気分は紛れていたのだろうか。私は自分を見失っていながらも、クラスという集団の中で、自分の与えられた立場に見合った態度をその表層に纏ってゆく。
飽くまで偽りと知りつつも、そうして大よそ、現在の私――赤緒礼華は、形成されていた。
そして、宗助もまた徐々に、変わっていたのだと思う。
最初に会った頃、自分を『俺』と呼ぶのが、少し背伸びのように感じさせた、あどけなさを残す少年。そんな彼も程無く、落ち着き大人びた高校生へと成長している。
少なくとも傍目からは、その様に映っているようだった。
だが、何処か流されているような宗助の姿を、私はとても気がかりとなってゆくことに……なる。
「赤緒さんって、さ。とても、オシャレなんだね」
そんな風に言って、佳奈は私に近づいて来ていた。
見知らぬ男の目に晒される為だけに、着飾って磨かれていたであろう、その姿。そんな私に羨望の目を向けた彼女が、とても不思議だと思えた。
そのまま佳奈は、私の側に居つくようになる。そして、私の価値を自然と周囲に広めていったのも、佳奈だったように思う。
気がつけば私の周りには、クラスでも一目置かれるような男女が集結していて。佳奈によれば、それが私に相応しい仲間であると、いうことらしい。
自分を蔑む私が、事もあろうかクラスで一番のステータスを持ち合わせているかのように祭り上げられく。そんな望みもしない現実が、馬鹿らしく、それでいてとても滑稽だった。
それでも、不思議と気分は紛れていたのだろうか。私は自分を見失っていながらも、クラスという集団の中で、自分の与えられた立場に見合った態度をその表層に纏ってゆく。
飽くまで偽りと知りつつも、そうして大よそ、現在の私――赤緒礼華は、形成されていた。
そして、宗助もまた徐々に、変わっていたのだと思う。
最初に会った頃、自分を『俺』と呼ぶのが、少し背伸びのように感じさせた、あどけなさを残す少年。そんな彼も程無く、落ち着き大人びた高校生へと成長している。
少なくとも傍目からは、その様に映っているようだった。
だが、何処か流されているような宗助の姿を、私はとても気がかりとなってゆくことに……なる。