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クラス ×イト
第15章 じゅバく 【赤緒礼華】
「……!?」
思わず目を見張ってる――私。
その顔を静かに見返して、ベッドから喜嶋くんが、続けて口にする――言葉。
「こんな迷惑をかけてしまったけど……それでも、僕ね。赤緒さんを好きになって……良かった。今、話を聞いて……僕はそう、思ってるんだ」
それが、私の心の中を曇らせて止まなかった靄を、吹き払っていったような感覚が、確かに私の中に――生じた。
「な、何故……?」
そう理由を質しながらも、私自身にもわかっていることがあった。きっとそれは理屈ではなく、そして彼は本心からそう言って、くれて――いる、から。
だから――私の身体と心は、こんなにもざわめき、そして――打ち震えていた。
「きっと……僕が見つけたのは、赤緒さんの中にあった、瀬山くんを想う気持ちだったんだね。色々と間違ってしまったけど、僕はもう平気。だから――」
だから…………?
彼はその後を言わない代わりに、控えめな微笑みを――私へと向けている。
「……………………!」
その顔を見つめ。背中を押されたのだと、私は――わかった。