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クラス ×イト
第3章 あこガれ 【山村佳奈】
駅から徒歩五分ほどのマンション。その五階の一室が、私の自宅。
私のお父さんは東京の割と有名な企業で、設計技師をしている。作業の多くはパソコンで済むらしく、十年くらい前から主に自宅が仕事場。出社するのも、週に一回ほどでいいみたいだった。
元々田舎好きの両親はその境遇を生かして、今の街に移り住むことを決める。それは私がまだ、小学四年生の時の話。
新幹線で東京から約一時間ちょっとの地方都市。当時からませていた私にとって、この街の空気はやっぱり田舎臭く感じられた。両親には言ってないけど、私は未だに都会の方が好き。
新しい学校の子たちは、良く言えば純朴。皆、私に優しかったけど、それでも何か物足りないような気がしていた。
結果的には終始、周囲を見下していたのかも。そんな感じで中学時代までを過ごしていた私にとって、高校での赤緒礼華との出会いは鮮烈なものとなった。
雑誌から抜け出たような礼華の姿は、まるで他とは別次元にいるみたいで……。一目で適わないと悟った私の感情に残されたのは、たった一つだけの想い。
それは嫉妬や羨望ではなく――純粋な憧れ。
私のお父さんは東京の割と有名な企業で、設計技師をしている。作業の多くはパソコンで済むらしく、十年くらい前から主に自宅が仕事場。出社するのも、週に一回ほどでいいみたいだった。
元々田舎好きの両親はその境遇を生かして、今の街に移り住むことを決める。それは私がまだ、小学四年生の時の話。
新幹線で東京から約一時間ちょっとの地方都市。当時からませていた私にとって、この街の空気はやっぱり田舎臭く感じられた。両親には言ってないけど、私は未だに都会の方が好き。
新しい学校の子たちは、良く言えば純朴。皆、私に優しかったけど、それでも何か物足りないような気がしていた。
結果的には終始、周囲を見下していたのかも。そんな感じで中学時代までを過ごしていた私にとって、高校での赤緒礼華との出会いは鮮烈なものとなった。
雑誌から抜け出たような礼華の姿は、まるで他とは別次元にいるみたいで……。一目で適わないと悟った私の感情に残されたのは、たった一つだけの想い。
それは嫉妬や羨望ではなく――純粋な憧れ。