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クラス ×イト
第3章 あこガれ 【山村佳奈】
 私の部屋で、とりあえず二人でテレビを見ていた。

「ハハハ、くだらねー」

 護はベッドの上に横になって、お菓子を摘まみながら呑気に笑う。私はその近くの床に座ると、ベッドに端に背を凭れていた。

 暫く、そうしていたら――。


「な、なに――?」

 切っ掛けなんて、特になかった。後ろから伸びた護の腕が、急に私の首へと巻きついてくる。

 その強引さに文句を言おうと、振り向いた私に――

「あっ……ん」

 護はまるで躊躇なく、キスをした。

 キスをするのは、これで四度目。私の部屋に来た時は、必ずしている。だから、ここまでの展開は大体、予想通りではある――けど。


「んんっ! ――ちょっと」


 護がの手が伸びて胸を弄ろうとするから、私は驚く。慌てて両手で胸を覆うと、護から身体を離した。

 そんな私に対し、苦笑を浮かべた護は――。

「いいじゃん。ちょっとぐらい」

「なんなの、その言い方。スケベなオヤジみたい」

「だったら、どう言えばいいんだよ?」

「そんなの、知らないし!」

 語気を強め、睨みつけると――

「チッ――なんだよ。二人きりだから、期待しちゃっただろ」

 護はふてくされて、ドサッとベッドに寝転んだ。


「……」

 私にしても親がいないと知りつつ、護をここへ連れて来ている。そうなることを、全く意識してなくも、なかった。

 ううん……たぶん、護以上に意識してるの、かも。けど、よくわからないよ。私はこう見えても、経験なんてないし……。

 礼華も――やっぱ、瀬山としてるのかな?

 不安になった私はつい、また礼華のことを考えてしまっていた。調度、その時――。

「佳奈――お前さ。礼華と瀬山みたいに、付き合いたいって言っただろ」

 私に背を向けたまま、護もその名を口にしている。
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