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クラス ×イト
第16章 しんクロ 《藍山 楓》
 そしてそれは、その週の日曜日のこと。


「久しぶり……だな」


 私はよく訪れた図書館を前にして、少し感慨深くなるままに、そう呟いた。此処は二年生の頃まで、度々通った場所。でも最近は、すっかり足が遠のいている。

 別に大した理由はない――としたなら、それはやはり嘘。

 二年の夏の日、此処で偶然に北村先生と会って以降。私は此処へ来ると、必ず先生の姿があることを期待していた。

 でも、あれ以来、その顔を見ることはなく。それを寂しく思ってしまうのが私は嫌だから、自然と足はこの図書館へと向かわなくなっていた。

 でも、やはり私にとっては、特別な場所である。あの時に期せずして、先生が小説を書いているのだと私は知るのだから……。


 そして、今日。久々に訪れ――私はこの場所で、先生と会う。


「あの、先生……私、本を……読ませて、いただきました」


 それは、昨日。私は先生に、その旨を告げている。
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