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クラス ×イト
第17章 エぴローぐ
 見るからに物静かそうな少年は、茜に話しかけていながらも、控えめにその顔を俯かせている。顔なじみでない童顔な彼を、茜は一年生なのだと感じつつ、こう訊ねた。


「私に――なにか、用かな?」

「えっと……あ、あの……僕は、戸村孝仁と、いいまして……ですね」

「うん、戸村くんね。私――市原茜だよ」

「あ……知ってます」

「へえ、そうなの――で?」


 再度問いかけると、戸村と名乗る少年は胸一杯に息を吸い込む。

 そうして、から。


「す……好きです!」


 彼はギュッと目を瞑り、ハッキリとそう発した。

 それに対する、茜の反応はと言えば――


「……?」


 不思議そうな表情をすると、ゆっくりと小首を傾げるという感じである。

 だから、勇気を振り絞ったに違いないであろう彼の立場になるのなら、真面に相手にされていないと感じても仕方がなかった。


「急に、こんなこと……迷惑、ですよね?」

「……」


 そう訪ねられながら、しかし、茜はまだ無反応である。


「あ、あの……市原さん?」

「あっ――ゴメン。ちょっと、ボーっとしちゃった。それでね、悪いんだけど」

「は、はいっ」


 断られる――そう覚悟した彼には、後の言葉は意外なものとなった。


「お願い。もう一度、言ってもらっても――いい、かな?」

「えっ……?」


 もちろん、彼の告白を迷惑だなんて、茜が思う筈はなく。

 しかし――再びそれを求められた彼は、その真意を量りかねていたのだろう。
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