この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第17章 エぴローぐ
見るからに物静かそうな少年は、茜に話しかけていながらも、控えめにその顔を俯かせている。顔なじみでない童顔な彼を、茜は一年生なのだと感じつつ、こう訊ねた。
「私に――なにか、用かな?」
「えっと……あ、あの……僕は、戸村孝仁と、いいまして……ですね」
「うん、戸村くんね。私――市原茜だよ」
「あ……知ってます」
「へえ、そうなの――で?」
再度問いかけると、戸村と名乗る少年は胸一杯に息を吸い込む。
そうして、から。
「す……好きです!」
彼はギュッと目を瞑り、ハッキリとそう発した。
それに対する、茜の反応はと言えば――
「……?」
不思議そうな表情をすると、ゆっくりと小首を傾げるという感じである。
だから、勇気を振り絞ったに違いないであろう彼の立場になるのなら、真面に相手にされていないと感じても仕方がなかった。
「急に、こんなこと……迷惑、ですよね?」
「……」
そう訪ねられながら、しかし、茜はまだ無反応である。
「あ、あの……市原さん?」
「あっ――ゴメン。ちょっと、ボーっとしちゃった。それでね、悪いんだけど」
「は、はいっ」
断られる――そう覚悟した彼には、後の言葉は意外なものとなった。
「お願い。もう一度、言ってもらっても――いい、かな?」
「えっ……?」
もちろん、彼の告白を迷惑だなんて、茜が思う筈はなく。
しかし――再びそれを求められた彼は、その真意を量りかねていたのだろう。
「私に――なにか、用かな?」
「えっと……あ、あの……僕は、戸村孝仁と、いいまして……ですね」
「うん、戸村くんね。私――市原茜だよ」
「あ……知ってます」
「へえ、そうなの――で?」
再度問いかけると、戸村と名乗る少年は胸一杯に息を吸い込む。
そうして、から。
「す……好きです!」
彼はギュッと目を瞑り、ハッキリとそう発した。
それに対する、茜の反応はと言えば――
「……?」
不思議そうな表情をすると、ゆっくりと小首を傾げるという感じである。
だから、勇気を振り絞ったに違いないであろう彼の立場になるのなら、真面に相手にされていないと感じても仕方がなかった。
「急に、こんなこと……迷惑、ですよね?」
「……」
そう訪ねられながら、しかし、茜はまだ無反応である。
「あ、あの……市原さん?」
「あっ――ゴメン。ちょっと、ボーっとしちゃった。それでね、悪いんだけど」
「は、はいっ」
断られる――そう覚悟した彼には、後の言葉は意外なものとなった。
「お願い。もう一度、言ってもらっても――いい、かな?」
「えっ……?」
もちろん、彼の告白を迷惑だなんて、茜が思う筈はなく。
しかし――再びそれを求められた彼は、その真意を量りかねていたのだろう。