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クラス ×イト
第17章 エぴローぐ
そして、その明くる土曜日のこと――。
「父ちゃん、店番なら俺がするから、奥で休んでろって!」
実家の青果店の軒先で、要二の声が響いた。
幸い要二の父の病状は、事なきを得ている。それ故、家業への復帰を果たすと、長男である要二には高校への復学を命じていたのだった。
だが、その体調もまだ全開とはいかずに。それがわかるから、学校が休みの日くらい要二は進んで店に出ることを自らに課している。
父が働き復学できるようになったことは、当然ながら歓迎すべき状況ではある。が、そう思いながらも、要二にしてみれば複雑な想いが残らないではなかった。
それは急ぎ大人たろうとした、自身の覚悟の行方を見失っているように感じてしまう、から。
そして、要二をそこへ向かわせてくれた女(ひと)とは、もう……。
「はあ……」
そんな想いが、要二にふっとため息を吐かせた――その時だった。
「去河くん――」
「え――――あっ!」
良く晴れ渡った、その日。
「佐倉……先生」
「フフ、こんにちは。久しぶりでは、ないわよね?」
要二は、訪れたその笑顔に、また――会えた。
「父ちゃん、店番なら俺がするから、奥で休んでろって!」
実家の青果店の軒先で、要二の声が響いた。
幸い要二の父の病状は、事なきを得ている。それ故、家業への復帰を果たすと、長男である要二には高校への復学を命じていたのだった。
だが、その体調もまだ全開とはいかずに。それがわかるから、学校が休みの日くらい要二は進んで店に出ることを自らに課している。
父が働き復学できるようになったことは、当然ながら歓迎すべき状況ではある。が、そう思いながらも、要二にしてみれば複雑な想いが残らないではなかった。
それは急ぎ大人たろうとした、自身の覚悟の行方を見失っているように感じてしまう、から。
そして、要二をそこへ向かわせてくれた女(ひと)とは、もう……。
「はあ……」
そんな想いが、要二にふっとため息を吐かせた――その時だった。
「去河くん――」
「え――――あっ!」
良く晴れ渡った、その日。
「佐倉……先生」
「フフ、こんにちは。久しぶりでは、ないわよね?」
要二は、訪れたその笑顔に、また――会えた。