この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第3章 あこガれ 【山村佳奈】
※ ※
その次の日の教室――。
「……」
私は自分の席に座り、ボーっと教室の中を見渡していた。皆、いつも通り。それは身飽きた風景だった。
私は視線を横に向け、チラリと護の方を見て――
「はあ……」
と、思わずため息をついた。
だって護の奴、澤田や茜と話して笑ってるんだし……。全くいい気なもんだよね。何か男ってのが、とても無責任な生き物に思えてきた。
朝起きても、私の股間には遺物感が残っていて。何かちょっと、歩く格好まで変になっちゃう……。
そっか……私もう、しちゃったんだよね。
そう実感した時、少し心細くなって。私は後ろを振り向き、礼華に話しかける。
「ねえ、礼華……ちょっと、話したいことあるんだけど」
「なに?」
「教室でするような、話じゃなくて。だから、帰りに――」
「それって、護の話?」
礼華にそう言われ、私はギクリとした。
「ど……どうして?」
「佳奈のことだから、そんなところかと思ったけど――図星、みたいね」
「う、うん。それでさ、軽く相談に乗ってくれない?」
「ゴメン、佳奈。今日は瀬山と、約束があるから」
「あ……そう、なんだ」
「今度、暇な時に訊いてあげるよ。でもさ、佳奈――」
「なに、礼華?」
「初めての時なんて――誰でも、そんなものなんじゃない」
「――!?」
微笑を浮かべている、礼華。
その顔を見ながら――私は少しゾッとしてた。
まるで礼華に、私の全てを見透かされてるみたいで……。