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クラス ×イト
第18章 おシまい
澤田裕樹と楽しげに言葉を交わしている、山村佳奈は――。
「――!」
しかし、ある光景を目にすると、勢いよくその席を立った。
そして、教室の前方にツカツカと歩み寄り、大きな声でその疑問を口にしている。
「茜――なんで、アンタがその連中と、つるんでいるわけ?」
それを問われた市原茜は、何時もと変わらぬ笑顔で応える。
「あ、佳奈。なんでって、私たち友達になったんだよ。ねーっ!」
そう言って茜が同意を求めたのは、『D3』。
すなわち――乾英太、去河要二、喜嶋三生――の三人組だ。
「はぁ……?」
とても納得がいかないといった表情の佳奈。
茜はまるで構わずに、更にこんな風に言った。
「つまり、こういうの――『掃き溜めに鶴』って感じ?」
もちろん茜に、悪気がある訳でもなく。
「オイオイ、この女――随分なこと、言うじゃねーかよ」
それは、そんな悪態をつく要二にも。
「アハハ……でも、言われてみれば、そうなのかも」
思わず愛想笑いした、三生にも。
「市原さん、意味わかって言ってる? せめて、『紅一点』とかさあ……」
そうフォローをした英太にも――それは、わかっている。
「アハハ――ごめんね!」
その時――茜の屈託のない笑顔が、教室の中を照らしていった――。