この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第4章 けツらク 【藍山栞1】
別に西くんから、好きだとか言われた訳ではない。ほぼ唯一私に構ってくれることから、自意識過剰に陥ってるつもりもなかった。
最初の頃は委員長という立場もあって、クラスで孤立する私に手を差し伸べていただけだったのだろう。西くんは成績が良いことを鼻にかけるような処もあるけど、基本的には面倒見が良いタイプなのだと思う。
私はそんな彼をお節介だと感じたが、不思議と不愉快だと感じたことはなかった。そうして接する内に、私は彼の気持ちの変化に気がつく。
ある時から、彼が私に向けた好意。それに対して、私は戸惑っている。
別に彼のことが、嫌いという訳でもない。でも私と西くんが話してるのを、あまり快く思ってない人がいるみたいで……。
「……!」
そしてこの時も、私は例の視線に気がつく。だから、まだ熱心に話してくれている西くんに、私は言った。
「ごめんなさい。今は本を読みたいから」
「相変わらず、つれないな。邪魔するなって?」
「そうではなくて……私と話しても、面白くないと思うから」
「勝手に決めるな。俺は割と――藍山に興味があるんだぜ」
「……」
そんな風に言われて、私はどう答えれば正解なのだろう。
「まあ、それはいい。貴重な時間を妨げて、悪かったよ」
西くんはそう言って、自分の席に戻って行った。
最初の頃は委員長という立場もあって、クラスで孤立する私に手を差し伸べていただけだったのだろう。西くんは成績が良いことを鼻にかけるような処もあるけど、基本的には面倒見が良いタイプなのだと思う。
私はそんな彼をお節介だと感じたが、不思議と不愉快だと感じたことはなかった。そうして接する内に、私は彼の気持ちの変化に気がつく。
ある時から、彼が私に向けた好意。それに対して、私は戸惑っている。
別に彼のことが、嫌いという訳でもない。でも私と西くんが話してるのを、あまり快く思ってない人がいるみたいで……。
「……!」
そしてこの時も、私は例の視線に気がつく。だから、まだ熱心に話してくれている西くんに、私は言った。
「ごめんなさい。今は本を読みたいから」
「相変わらず、つれないな。邪魔するなって?」
「そうではなくて……私と話しても、面白くないと思うから」
「勝手に決めるな。俺は割と――藍山に興味があるんだぜ」
「……」
そんな風に言われて、私はどう答えれば正解なのだろう。
「まあ、それはいい。貴重な時間を妨げて、悪かったよ」
西くんはそう言って、自分の席に戻って行った。