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クラス ×イト
第4章 けツらク 【藍山栞1】
やや間を置き、去河くんは私に問う。
「藍山――お前、誰の話をしてんの?」
「それは……」
答えられる訳もないのに……。それなのに去河くんを煽ったりして、私は自分をとても無責任だと感じていた。
そんなことをしてる間に、チャイムが響く。どうやら授業は、終わったらしい。
暫くすると保健室の扉が開き、一人の生徒が顔を覗かせた。
「要二、大丈夫?」
心配そうに入って来たのは――乾英太。
その姿を見て、私は椅子から立ち上がる。
「じゃあ、これで」
そう言って背を向けた私に、去河くんは言った。
「藍山――生徒と教師じゃなかったら、問題ないってことだよな」
「……?」
この時、どうしてそんな言い方をしたのか、私にはわからなかった。
そしてそれは、駆け付けたばかりの彼にしてみれば、尚更なのだろう。
「なに……二人、どうかしたの?」
私の前に立ち、乾くんは不思議そうな顔をしてる。
ほんの一瞬、その視線を合わせ。それからいつもみたいに、乾くんから先に顔を背けた。
その反応をちょっと物足りなく感じて、私は扉の方に足を進める。
「別に、なんでも――私、行くから」
「あ、ごめん……」
乾くんが扉の前から退くと、私はその前を通り過ぎて廊下へ。
その瞬間、私は思わず――ボソッと呟いていた。
「――――てよ」
「え……?」
たぶんその声を、乾くんは聞き取れなかったみたい。だけど私は言葉を繰り返すことなく、そのまま保健室から出て行った。
「藍山――お前、誰の話をしてんの?」
「それは……」
答えられる訳もないのに……。それなのに去河くんを煽ったりして、私は自分をとても無責任だと感じていた。
そんなことをしてる間に、チャイムが響く。どうやら授業は、終わったらしい。
暫くすると保健室の扉が開き、一人の生徒が顔を覗かせた。
「要二、大丈夫?」
心配そうに入って来たのは――乾英太。
その姿を見て、私は椅子から立ち上がる。
「じゃあ、これで」
そう言って背を向けた私に、去河くんは言った。
「藍山――生徒と教師じゃなかったら、問題ないってことだよな」
「……?」
この時、どうしてそんな言い方をしたのか、私にはわからなかった。
そしてそれは、駆け付けたばかりの彼にしてみれば、尚更なのだろう。
「なに……二人、どうかしたの?」
私の前に立ち、乾くんは不思議そうな顔をしてる。
ほんの一瞬、その視線を合わせ。それからいつもみたいに、乾くんから先に顔を背けた。
その反応をちょっと物足りなく感じて、私は扉の方に足を進める。
「別に、なんでも――私、行くから」
「あ、ごめん……」
乾くんが扉の前から退くと、私はその前を通り過ぎて廊下へ。
その瞬間、私は思わず――ボソッと呟いていた。
「――――てよ」
「え……?」
たぶんその声を、乾くんは聞き取れなかったみたい。だけど私は言葉を繰り返すことなく、そのまま保健室から出て行った。