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クラス ×イト
第4章 けツらク 【藍山栞1】
その夜――。夕食を済ませた私は、自分の部屋の机でまた本を読んでいた。
そして特に感動するでもなく、淡々と一冊の本を読み終えている。たぶん面白い本なのだろう。だから感じ入らないのは、私自身のせいなのだ。
終わった物語の余韻に、浸るという概念もなく。私は次に栞を挟むべき、次の物語を探さなければいられなかった。
「……」
机から後ろを振り向いて、私は沢山の本が並ぶ本棚を見やる。
そこにある本の多くは、私のものではなかった。大半は読書家だった楓姉さんの、生前の蔵書であった。
それまで全く本など読まなかったくせに、今では人が違ったようにそれを読み耽る、私。どうしようもない喪失感を、自然と埋めようとするみたいに……。
ともかく――姉の残した本は、ほぼ読み終えてしまっていた。
私は椅子を立ち、本棚の前へ。そして本の背表紙を、ツゥーと順々に指で触れると蘇る記憶を確認しながら、私は未だ触れていない物語を探す。
すると、その時――私の指が止まったのは、本ではなく一冊の手帳。
「……」
私は少し迷った後に、それを本棚から取り出した。
そして特に感動するでもなく、淡々と一冊の本を読み終えている。たぶん面白い本なのだろう。だから感じ入らないのは、私自身のせいなのだ。
終わった物語の余韻に、浸るという概念もなく。私は次に栞を挟むべき、次の物語を探さなければいられなかった。
「……」
机から後ろを振り向いて、私は沢山の本が並ぶ本棚を見やる。
そこにある本の多くは、私のものではなかった。大半は読書家だった楓姉さんの、生前の蔵書であった。
それまで全く本など読まなかったくせに、今では人が違ったようにそれを読み耽る、私。どうしようもない喪失感を、自然と埋めようとするみたいに……。
ともかく――姉の残した本は、ほぼ読み終えてしまっていた。
私は椅子を立ち、本棚の前へ。そして本の背表紙を、ツゥーと順々に指で触れると蘇る記憶を確認しながら、私は未だ触れていない物語を探す。
すると、その時――私の指が止まったのは、本ではなく一冊の手帳。
「……」
私は少し迷った後に、それを本棚から取り出した。